政治【産経抄】7月5日2011.7.5 03:05

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【産経抄】
7月5日

2011.7.5 03:05

 「黄金の冠が男を王様にする」。1955年に公開されて大ヒットしたアメリカ映画『慕情』の主題歌のなかにある名文句だ。黄金の冠ならぬ震災復興担当相という地位も、王様気分にしてくれるらしい。

 ▼3日に岩手、宮城の両県を訪ねた松本龍復興相の高圧的な発言が、波紋を広げている。「県でコンセンサスを得ろよ。そうしないと、我々は何もしないぞ」。宮城県庁での村井嘉浩知事との会談で言い放った。

 ▼活字にすると、べらんめえ調は被災地復興への意欲の表れ、とも取れる。だが、会談の一部始終をとらえたテレビ映像を見ると、自分を出迎えなかった知事への、腹立ちの要素が大きいことがわかる。

 ▼「いいか? 長幼の序が分かっている自衛隊なら、そんなことやるぞ。わかった? しっかりやれよ」。自衛隊出身の知事を叱りつけた後、取り囲む記者たちに声をかけた。「今の最後の言葉はオフレコです。書いたらその社は終わりだから」。本人はジョークのつもりかもしれないが、「恫喝(どうかつ)」と報じられても仕方がない。

 ▼朝日新聞によると、この会談に先立って訪れた岩手県庁の玄関では、達増拓也知事めがけて、サッカーボールを蹴り込んだという。数日前には「民主党も自民党も公明党も嫌い」と発言して野党を怒らせたばかり。記者会見でサングラスをかけたり、自らが率いる被災者支援チームを「チーム・ドラゴン(龍)」と名付けるなど、これまでも不思議な振る舞いが指摘されてきた。

 ▼映画『慕情』の原題を直訳すると、「恋はたくさんのすばらしいもの」となる。「男を王様にする冠」もそのひとつだ。たくさんの奇行が目立つばかりの人物では、とても復興相の重責は担えまい。

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