いったい、何様のつもりだろう。「尊大」が服を着ているような松本復興相の言動には、憤りを通り越して、ため息が出る。
仮設住宅の建設について「知恵を出さないやつは助けない」、漁港集約構想に関しては「県でコンセンサスを得ろよ。やらなかったらこっちも何もしない」、会談の場に遅れて入ってきた知事には「お客さんが来るときは、自分が入ってから呼べ」。
まるで生殺与奪の権限を一手に握った代官の「上から目線」。注目のポストに就いて舞い上がったか。それとも大役のプレッシャーで虚勢を張ったのか。
「九州の人間だから東北の何市がどこの県か分からない」と言い放ち、揚げ句の果てに「今のはオフレコ。書いた社は終わりだから」などと恫喝(どうかつ)まがい。救いようがない。
この復興相、先月28日の就任会見では、こんな大見えを切っている。「3月11日以来、民主党も自民党も公明党も嫌いだ。被災者のために前を向いて歩くのみだ」。党利党略で争っている場合ではない、復興に全力投球するとの宣言。喝采した被災者も多かったはずだが、今は鼻白む思いだろう。
妄言、虚言、放言、さらには首相の食言まで、ツッコミどころに事欠かない昨今の永田町。ただでさえ停滞している国会審議は、暴言の新たな火種を抱えてまた立ち往生の恐れが出てきた。
「国民は、その国民と同レベルの政治(家)しか持てない」とは、よく引き合いに出される箴言(しんげん)だが、この程度の政治家と同列にされては、国民も立つ瀬がない。(L)