大阪大学サイバーメディアセンターの菊地誠教授は2011年6月27日、ニコニコ動画の生放送「大激論 9.11の真実とは?&映画『ZERO:9/11の虚構』上映」に出演。菊池教授は、いわゆる9.11事件の矛盾点について「偶然はいくらでもある。すべての偶然に理由を求める限り、謎は残る」と語った。
2001年9月11日の米国同時多発テロ事件。9.11事件とも呼ばれ、イスラム過激派組織アルカイダによって引き起こされたとされる。事件から今年で10年目となる5月2日には、アルカイダの首謀者・オサマ・ビンラディンが米海軍特殊部隊の軍事作戦によって死亡したという報道があった。
しかし、当初から米国政府の公式発表には多くの謎や矛盾点があるとの見方がある。例えば「世界貿易センタービルは、飛行機が激突した程度では崩壊しない建築構造だった。したがって、あらかじめ爆弾が設置されていた」「ペンタゴン(国防総省)に残った穴は飛行機が衝突した割に小さい。したがって、衝突したのは飛行機ではない」といったものである。こうした謎や矛盾点を根拠に、いわゆる「9.11陰謀論」の立場から製作されたのが映画『ZERO:9/11の虚構」(2007年・イタリア製作)だ。
番組で、『ZERO:9/11の虚構』の日本語版製作ディレクター・きくちゆみ氏は「日本には、(米国政府の公式発表を疑う)情報はないに等しい」とした上で、「(この映画は)真実のすべてではないにしても、公式説(公式発表)とは違うことはいっぱいあるんだということを知ってほしい」と語った。
■「すべての偶然に理由を求める限り、謎は残る」
一方、菊池教授は「『ZERO:9/11の虚構』はとっくの昔に解決したことを、あたかも謎のように言っている映画」と主張し、映画で描かれた陰謀論の矛盾を指摘した。また、「(9.11事件自体は)とんでもない事件なので、政府の対応も混乱していた」「最初に陰謀だと思うのはおかしくない」とした上で、「これだけの(大きな)事件なので最後まで謎は残る」とし、
「大枠として合理的な説明がついていて、あとは『まぁ、これは偶然だよね』と言えれば、それは問題ない。少なくともすべての細かい謎に答えが出るまで納得しないというのであれば、これ(陰謀論か否かの議論)は決して終わらない」
と語った。
(山下真史)