国会 復興担当相辞任劇めぐり大荒れ 菅首相の対応に民主党内からも新たに反発の声
国会は、松本 龍前復興担当相の辞任劇を引きずる形で大荒れになっている。
集中審議で集中砲火、菅首相への対応には、民主党内からも新たに反発の声が噴出した。
そして、復興担当相を辞任した松本 龍氏は6日、新潟・津南町と長野・栄村をお忍びで訪問した。
2週間ぶりに再開された国会審議の冒頭、菅首相は「任命したのは私でありますから、任命責任は私にあります」と述べ、就任9日目に辞任した松本前復興担当相の任命責任をあっさり認めた。
野党・自民党からは、石原幹事長、石破政調会長らが相次いで質問に立ち、菅首相の早期退陣を要求した。
自民党の石原幹事長は、「総理を本気で支えようとする人は、実はもう民主党の中、内閣にもいないのではないか。まさに裸の王様であります」と批判した。
また、自民党の石破政調会長は、「野党はおろか、与党の信頼もない。そのあなたが、これから先にやることが、原子力災害の収束、復興に向けて、なぜプラスなんですか」とただした。
そうした声に、菅首相は「私が最高の総理大臣であるというほど、うぬぼれてはおりません。ただ、こういう震災が起きた中で、やはりその責任から逃げるわけにはいかない」と述べ、早期退陣を否定した。
さらに、自民党の石破政調会長は、「総理は今まで、一度も退陣するなんて口にしていない、一度もしていない。そして、震災や原発に一定のめどがついたら。いつつくんですか。10年ですか、20年ですか。いつまでも辞めないと言っているのと一緒です」と述べたうえで、内閣の顔ぶれが変わったことを理由に、今国会での内閣不信任案再提出の可能性についても言及した。
ますます苦境に立つ菅首相だが、実は3年前の麻生内閣で中山成彬国交相が就任早々、「日教組をぶっつぶす」などと発言して辞任した際には、「少なくとも、中山(成彬)さんの考え方とか人柄をよく知っていて任命されたんでしょうから、リーダーシップを欠いていたと言われても仕方がないと思いますが」と、任命した麻生元首相を厳しく追及していた。
その発言は、結果的に自らに跳ね返ることになった。
そうした中、人事をめぐって6日、菅首相に対し怒りをぶちまけたのが、経済産業政務官の中山義活氏だった。
中山経済産業政務官は「人事は万事ですよ。早く次の総理に代わってもらいたい」と述べた。
実は5日、菅首相から直接、経済産業副大臣就任への要請があり、急きょ認証式で着るためのモーニングを用意したものの、わずか1時間後に取り消されたという。
中山経済産業政務官は「モーニングを払ってて、電話が鳴ったので。菅総理(から)で、国対がちょっと反対しているのでなかったことにしてくれと。あー、そうですかって。意味わからないのよ。けさ(6日朝)、安住(国対委員長)君に電話して聞いたら、自分も全部、国対の人間に聞いたけど、誰も聞いていないと、そういう話は。反対したやついるかって聞いたんですって、誰もいないって」と述べた。
取り消された副大臣人事。
6日、民主党の安住国対委員長は、「人を動かすというのは、そう簡単なことではないということを自覚したうえで、みんな仕事をしていかないとですね、支えきれなくなると思います」と、あらためて菅首相を批判した。
一方、復興担当相を5日に辞任した松本 龍氏は6日、東日本大震災の翌日に起きた大きな地震の被災地、新潟・津南町と長野・栄村をお忍びで訪問した。
5日に辞任したばかりの松本前復興相が栄村を訪れるとあって、6日は島田村長が玄関で出迎えた。
島田栄村村長は「怒られちゃいます。『まだ決まってないのに』って...」と話した。
宮城県での一件のこともあり、栄村村長は、予定の30分ほど前から玄関で待っていたという。
そして、訪れた松本前復興担当相は、6日は命令口調もなく、やわらかい物腰だった。
松本前復興担当相は「身銭ですよ。ポケットマネーで来てますから」と述べた。
そして、辞任の理由についてあらためて尋ねたが、「きのうの話はきのうの話。もう、あしたに向かってやります」と、何も語らなかった。
(07/06 18:04)