定期点検中の九州電力玄海原子力発電所の運転再開に向けた、国と地方自治体の調整が進められるなか、菅総理大臣は、6日の衆議院予算委員会で、原発の運転再開や運転継続を判断するための新たな基準を作成するよう、海江田・細野両大臣に指示したことを明らかにしました。
この中で菅総理大臣は、玄海原発をはじめ定期点検中の原子力発電所の運転再開を判断する基準について、「これまでの法体系でそのまま進めていいかという問題がある。従来のルールであれば、原子力安全・保安院と経済産業大臣が運転再開を判断できるとされているが、国民はそれだけでは納得しないと思う」と述べ、従来の基準では不十分だという認識を示しました。そのうえで菅総理大臣は「国民が納得できるようなルールを作るよう、海江田経済産業大臣と細野原発事故担当大臣に指示した。IAEA・国際原子力機関が提唱する『ストレステスト』を含めた新たなルールで、すべての原発がチェックできるような形を検討してくれと指示している」と述べ、海江田・細野両大臣に新たな基準を作成するよう指示したことを明らかにしました。これに関連し、共産党の笠井政策委員長代理が「運転再開の新たなルールをこれから作ると言いながら、その一方で玄海原発の運転再開を要請するのは矛盾している」として、運転再開の要請を撤回するかとただしたのに対し、菅総理大臣は「従来の法律で正しい手続きだったとしても、十分でなければ改めて新しいルールの中でやっていく必要がある」と述べ、当面、玄海原発の運転再開の判断を留保する考えを示唆しました。