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2011-07-04

「やる夫で学ぶ南京事件」のはてなブックマークコメントに対して

やる夫で学ぶ南京事件 - 模型とかキャラ弁とか歴史とか

へのはてなブックマークコメント

はてなブックマーク - やる夫で学ぶ南京事件 - 模型とかキャラ弁とか歴史とか

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に対する応答というか感想というか。


id:yingze 中国, 南京事件

id:zaikabou ここ5年位中国の偉い研究者がもう少し多いんじゃねって言い出してて、若手の研究者がちょっと困ってる感じです。http://www.dadaobao.cn/7B-6.htm/間違えた http://www.sjhistory.org/site/newxh/yjzt1-3mb_a2011050636581.htm 2011/06/22

http://b.hatena.ne.jp/yingze/20110622#bookmark-47939102

本当にそういうことが書いてあるなら該当部分の引用と翻訳をしてもらえればと思います。

というようにして言質を取ってから批判する気もないので予め説明しておきますがどちらにもそういう記述はありません。

一つ目のURLは、まあ間違いだそうですが、軍人犠牲者に関するもので軍人犠牲者数の推定数において笠原説と大きな違いはないと思います。軍人犠牲者を7〜9万人と推定し、その人数は軍民合わせての数であるところの30万人説の犠牲者数の約25%になるという結論の話ですね。

二つ目のURLはそもそも防衛研究所戦史部の庄司潤一郎氏の論文「「日中歴史共同研究」を振り返って」を中国語訳したものであり、その内容を知る人には当たり前のことですが、そういう記述はありません。

疑いがあれば「戦争を知らない国民のための日中歴史認識」に収録されているので読んでみればいいでしょう。


戦争を知らない国民のための日中歴史認識 『日中歴史共同研究<近現代史>』を読む

戦争を知らない国民のための日中歴史認識 『日中歴史共同研究<近現代史>』を読む


言語力不足と知識不足から文中の「30万人以上」という記述により勘違いしたのではないかと思うので念のために説明しておきますが、中国の30万人説は約34万人を端数切り捨てにした値であり30万人以上と書かれることもあります。つまり、そう書かれているからといって「もう少し多いんじゃねって言い出し」ていることにはなりません。

ちなみに東京裁判の20万人説は約26万人を端数切り捨てにした値であり20万人以上と書かれることもあります。

今までのyingzeさんが書いた中国語サイトのURLとそれに対するyingzeさんの反応を考えると、yingzeさんはろくに中国語を読むことができないのに文中から拾った単語から勝手な解釈をしているのではないかという疑惑が私にはあったのですが、今回の件でそれが確信に変わりました。

この件についてですがyingzeさんが倫理的に正しい対応をしてくれるといいのになあと思います。

正しくない対応は色々と考えられますが、例えば、二つ目のURLも「間違い」と主張しながら正しいURLも提示しなければ該当部分の引用と翻訳もしないなんてのがあげられます。


id:mori-yoshiro

被害者が現在も生きている事件を、「やる夫で学ぶ」なんてふざけたメソッドで解説するブログ主の神経を疑う。結局、セクト内でウケるためのネタの一つに過ぎないのでしょうね、あなた方にとっては。 2011/06/21

http://b.hatena.ne.jp/mori-yoshiro/20110621#bookmark-47651070

「セクト内でウケるためのネタ」なんてのが憶測に過ぎないと思います。

実際のところこういうのは知っている人には今更な解説なわけで、私としては普段のような解説では読まないような層の人にも読んでもらうことが書いた意図の一つだったわけで、的外れな批判だと思いますね。

で、「やる夫で学ぶ」がふざけたメソッドとして、それは「マンガなんてふざけたメソッドで解説する」というのと大差ないと私は思うんですよね。

解説で重要なのは内容で解説手段としてはAAだろうがマンガだろうが私は構いません。そういう解説手段自体が許せない価値観な人もいるでしょうが。

で、件の記事の解説内容は被害者を傷つけるものではなく、むしろ現実の行動で被害者を傷つける南京事件否定論者を批判するものなわけで、私としては解説内容に問題があるとは思いません。

ホメオパシーなどの似非科学も被害者が現在進行形でいるわけで、それを批判する解説に「やる夫で学ぶ」を使うのは私としてはまったく構わないと思うのですが、解説手段を問題視するmori-yoshiroさんはそれもこれと同様に否定するのでしょうか?その点、是非うかがいたいです。


id:yamamoto8hei

この手の議論を見てると「反省とは一体何ぞや?」と思う。肯定否定いずれも相手を言い負かそうとしているだけ。なぜ南京事件が起きてそれが大虐殺として喧伝されたのかの視点が全く無い。目糞が鼻糞を笑う様なモノ

http://b.hatena.ne.jp/yamamoto8hei/20110621#bookmark-47651070

この手の発言を見ると山本七平は本当に罪深いなと思います。

山本七平の罪には嘘や嘘翻訳で人々を騙したことだけではなく、こういう物事を上から見ているつもりの思い上がりを量産したこともあげられるというものでしょう。

物事を俯瞰するなど視点を変えて見るのは重要なことですが、それにはそれをなすだけの能力も必要なんですよね。にも関わらず、このように物事を上から見る能力も無いのにそうしているつもりになっていることを野狐禅俯瞰と私は呼びたい。

さて、「肯定否定いずれも相手を言い負かそうとしているだけ」が仮に真として、こう言いかえたらどうでしょうか?「科学似非科学いずれも相手を言い負かそうとしているだけ」

この場合、発言者は真と偽の間で中立を気取る間抜けということは明らかですよね。なぜか歴史問題の場合はそう思わない不思議な人がたくさん出現したりするわけですが。

「なぜ南京事件が起きてそれが大虐殺として喧伝されたのかの視点が全く無い」に関しては「必然として起きたことは文中に書いてあるだろ」とか「外国の報道機関が現地入りしており世界的に報道されたから」とか書いても山本七平メソッドの継承者であるところのこの人には意味がないと思います。

この人的には「これはプロパガンダ戦なのだ」「だから事実であろうとなかろうと認めてはならない」が解答なのだろうと思います。山本七平的に考えて。

とりあえずyamamoto8heiさんは「相手を言い負かそうとしている否定派」にもこのようなコメントをつけてブックマークすべきだと思いますよ。アリバイ作り的に考えて。どういうサイトをブックマークしてどういうコメントをつけているかを見れば中立気取りな本人の偏りぶりが明らかですから。*1


id:tdam

世界史辞典に、「便衣兵の掃討殺害=戦時国際法に違反」の根拠を求めるあたり、歴史固定主義者はやっぱり進歩がないなぁとしか。「権威は常に正しい」思考は、原発畑や経団連政府には適応されないのかね。 2011/06/21

http://b.hatena.ne.jp/tdam/20110621#bookmark-47651070

tdamさんにはそう見えると。これはそう見える方の偏りを明らかにしているだけだと私は思いますが。

歴史固定主義者という呼称もtdamさん自身の歪みがそう見させているのだと思います。

実際問題、学問的手順に従って歴史が書き変わることはしばしばあることですし、ときには素人が学問的手順に従った地道な研究によってそれを成し遂げることもあります。あるいは、書き変わらないまでも学問的な異論や反論に耐えることで新説として認められることもあるわけです。

これはつまり、学問としての歴史において長期間史実として扱われてきた説はそれだけ学問的な異論や反論に耐えてきた強固な説とも言えるわけです。

「権威は常に正しい」のではなく異論や反論に耐えてきたからその蓋然性は高いという意味で「正しい」のです。

では原発畑などはどうでしょうか?原発村が学問的な知見に基づいた異論や反論に耐えるのではなくそれらを排除してきたことは福島原発事故以降の報道からでも明らかだと思いますが。

さて、tdamさんは戦時国際法について論じるにあたって先行する研究にあたりその妥当性を調べるという学問的には当然のことをしたのでしたっけ?条文だけを読んで独自解釈をするという非学問的行動をしたのではないですか。

tdamさんはWGIPの人の受け売りをしたり独自解釈したりする前に、きっちり先行研究にあたった方がいいと思いますよ。そうすれば戦時国際法の妥当な解釈だから辞典にも書かれるということが分かると思います。


id:type-100 歴史

長門でも翠星石でもホロでも誰でもいい。女の子を出すんだ。ネタのためにも読ませるためにも。 2011/06/21

http://b.hatena.ne.jp/type-100/20110621#bookmark-47651070

圧倒的に正しいと思います。

著作権的な問題がありますが。アニパロ同人誌と同様に。

でもまあ、それをやって訴えられたとしても、それはそれで本望だったりします。


id:tomo_fuji

オーソドックスな主張にやる夫的なものをちょっと混ぜただけで特に分かりやすくなっていない。これで納得する人は普通のエントリでも納得すると思う。 2011/06/21

http://b.hatena.ne.jp/tomo_fuji/20110621#bookmark-47651070

その通りではあるのですが、これは普通のエントリを読まない層にも読んでもらえることを期待して作ったものなので。

分かりやすさについては、それはもっと分かりやすいにこしたことはないと思いますが現在の私に可能な限り短くかつ分かりやすくしたものなのでこれ以上は厳しいです。そうするための具体的な指摘がほしいところです。


id:hatoken

2ちゃんでやれないヘタレ? 2011/06/21

http://b.hatena.ne.jp/hatoken/20110621#bookmark-47651070

これは斜め上過ぎる。

2ちゃんで匿名で書く方がよっぽどヘタレだと私は思うのですが。

まあ、改訂版を作成したら2ちゃんに投稿する予定なんですがね。

ちなみに現在の当ブログのコメント欄の設定はIDすら名乗れない完全な匿名でなければ書き込めないようなヘタレには書き込めない仕様です。

2ちゃんで匿名だからヘタレというわけではないですが、完全匿名でなければ書き込めないというのはヘタレでしょうね。2ちゃんに限らず。


id:KIM625 南京事件, 歴史修正主義

ごめんなさい。これはイマイチ。 2011/06/21

http://b.hatena.ne.jp/KIM625/20110621#bookmark-47651070

「よくない」と感じる部分は違うかもしれませんが、私もこれは「よくない」と思っています。

「バカなやる夫を啓蒙してあげる」という点である種のやる夫メソッドは邪悪をはらんでいると私は思うんですよね。手段ではなく、やっていることが「よくない」

そういうのを自覚してあえてやっているので自分でも「よくない」と思います。


id:REV

反応に困る。やる夫メソッドへの、気の利いた風刺と解釈しとく。 2011/06/21

http://b.hatena.ne.jp/REV/20110621#bookmark-47651070

ある種のやる夫メソッドの「よくない」ところを感じられる人であれば、そういう反応は自然なものだと思います。


id:munyuu 歴史, 中国

中国の情勢が怪しくなると出てくる。南京事件を確定した東京裁判の判決は、日本政府が無効化したが連合国からの抗議や批難は無し。つまり中国のプロパガンダで作られた事件だった。いまでもよく行われている。 2011/06/21

http://b.hatena.ne.jp/munyuu/20110621#bookmark-47651070

またこんな嘘を平気でつく。日本政府が「東京裁判を受諾した以上、それを正当で合法なものとして受け入れている」という立場であることは近現代史の常識でしょうに。

そして相変わらずの陰謀論脳。南京事件についていつ書こうが中国情勢と結びつけて解釈することは可能でしょうね。そこで問題があるのはそう解釈する方の認識の方でしょうけど。


id:okurus

現在でも多数の学者間で論争となっている議論をやる夫スレ(笑)を引用して「虐殺ありき」で決め付ける感覚も怪しい。wiki見ると相当政治バイアスあるみたいだが。記事読んだけど証拠が弱いし、曖昧な点も多いね。。。 2011/06/21

http://b.hatena.ne.jp/okurus/20110621#bookmark-47651070

うわあ、なんという分かりやすい「中立」

「中立」を支えているものの一つが「無知な自分こそが物事をよくわかっている」幻想であることが言葉から滲み出ていますね。本当に醜悪な傲慢というものです。

「学者間」って否定派の学者に真っ当な歴史学者っていますか?専門外の与太を飛ばしている学者ばっかりではないのですか?そういうことも知らないの?

「証拠が弱い」とか「曖昧な点も多い」とか史料や先行研究にはあたったのですか?南京事件はかなり膨大な史料、それも史料批判に耐える史料に支えられた史実ですよ。それに比べて古代史なんか、本当、史料が乏しいんですよ。つまり、知っていればこういうことは言えないと思うんですよね。

「「虐殺ありき」で決め付ける」のではなく、史料にあたれば「「虐殺あり」と結論づけざるをえない」というのが正解。

okurusさんも、先行研究にあたり、それでも納得できなければ史料にあたるということしてみればいいと思います。本当の懐疑精神というのはそういうものというものでしょう。


id:khwarizmi 歴史

やる夫メソッドなのに,途中から会話になってなくて一方的にしゃべり続ける辺りがいつものはてさですね的な 2011/06/20

http://b.hatena.ne.jp/khwarizmi/20110620#bookmark-47651070

この指摘も圧倒的に正しいと思います。

私も見ていて思ったのですが、多くの「やる夫で学ぶ」は説明自体は長くても多数のキャラが説明役を分担することで「一方的にしゃべり続ける」という印象をあたえないようになっているわけです。

「一方的にしゃべり続ける」のが「はてさですね的」なのか否かはさておき、ここは反省点で、改訂版ではなおさねばならない部分というものでしょう。

*1:現時点で全ブックマーク数5件のうち3件がこのブログとか

yamamoto8heiyamamoto8hei 2011/07/06 18:22 D_Amonさん、初めまして。
私のブクマコメを取り上げていただきどうもです。
しかしながら、貴方の記事を読んで、私の真意とかなりかけ離れた解釈・受け止め方をされているのがわかりましたので、かなりの長文となりますが、以下反論や感想をコメントさせていただきます。

まず、最初にお断りしておきますが、私が”目糞鼻糞”と評したのは、なにも「事実追究を蔑ろにせよ!」とか「明らかな事実を否定せよ!」とか言いたいが為ではありません。

私は「南京事件」という事件が起こったこと、そしてそれに伴う日本軍による殺害行為があった事は事実だと考えておりますし、その規模がどれほどのものであったのか、また、どういう背景があってそうした事件が起こってしまったのかを追究することはそれなりの意義があると受け止めております。

しかしながら、同時にその規模がどれぐらいのものであったのかという事だけに議論が収斂してしまう事は、神学的論争に堕してしまうだけですし、問題の本質から目を逸らすだけの行為でしかない、とも考えています。

貴方の主張を見ていてもその傾向は顕著です。
貴方は自らの主張を「科学vs似非科学」という構図の”科学側”に擬しておられますが、(アウシュビッツのような)物証がない以上、犠牲者数は推定するしかありません。
従って貴方の主張を”科学側”に擬するのは不適当ですし、この喩え自体が適切ではないと考えております。

>「なぜ南京事件が起きてそれが大虐殺として喧伝されたのかの視点が全く無い」に関しては「必然として起きたことは文中に書いてあるだろ」とか「外国の報道機関が現地入りしており世界的に報道されたから」

私が本当に指摘したい事は、なぜ南京事件が「大虐殺」として喧伝されたのか?
また、なぜそれが欧米では「真実として」認知されてしまったのか?
この二点について何ら考察された跡が無いということです。

確かに、喧伝された事については中国国民党の巧みなプロパガンダや日本に反感を抱く欧米の記者の活躍等に原因を求める事は可能です。
しかし、なぜそのプロパガンダが世界に広く受け入れられ「事実として」認定されてしまったのか?
これについては、左翼は勿論のこと右翼側も、全くと言っていいほど考察がなされていません。

貴方が挙げたような「外国の報道機関が現地入りしており世界的に報道されたから」という答えは、まったく表層的な見方であって、何の答えにもなっていないのです。
報道があれば必ずしも即事実として認知される訳でも、「人口に膾炙する」訳でもありません。

山本七平はその理由について次のように考察しています。

?当時の日本の独り善がりな行動が欧米にとっては不可解であり、戦争好きな民族として捉えられてしまったこと。
そのイメージに合致する虐殺報道が容易に受け入れられてしまった。
?身内の恥は隠すという日本人の行動様式が、「事実の認定」を争う上で決定的にマイナスに作用したこと。

彼の主張内容については次の拙ブログ記事↓にて紹介しているので参考にしていただきたい。

?についてのイザヤ・ベンダサンの見解
■感情国家・日本【その4】〜「市民感情」がすべてに優先する日本〜
http://yamamoto8hei.blog37.fc2.com/blog-entry-201.html

?についての山本七平の見解
■人はみな「選択的良心」の持ち主である。
http://yamamoto8hei.blog37.fc2.com/blog-entry-130.html

>この人的には「これはプロパガンダ戦なのだ」「だから事実であろうとなかろうと認めてはならない」が解答なのだろうと思います。山本七平的に考えて。

実際、この件はプロパガンダ戦である事は否めません。
攻城戦に伴う突発事件がナチスの虐殺に匹敵するものとして捉えられる事自体がそれを証明しています。

それに(一部の発言の切り取りにより、かなり左翼の間では誤解されていますが)山本七平はただ単に「事実を否定しろ!」などとは言っていませんよ。

上記紹介した彼の見解を見ても判るように、プロパガンダ利用されるのを防ぐ為にも「時の法廷」に耐えうる検証を自ら行うべきだ、と主張しているのです。
それが、南京事件を「真に反省する」という事なのです。

・戦前の日本人の独り善がりな思い込みや行動が、グロテスクで戦争好きな日本人という虚像イメージを世界中に与えてしまったこと。
・それが大虐殺という風説が事実として定着する事を助長してしまったこと。
・今でもそれが中国人との間のトゲとして存在していること。
・将来、日本人への迫害の理由とされる恐れがあること。

そうした事を認識した上で同じ過ちを犯さないことこそが、あの事件から教訓を得るということでしょう。

ところが、貴方の主張を鑑みると、どうも「日本人が中国の主張を認め受け入れる事が真に反省することだ」と思い込んでいるようです。
それが一体どんな反省につながると言うのですか?それを認めない人を罵っているだけではありませんか!

貴方が血まなこになって犠牲者数を多めに認定させよう!という行為は反省でもなんでもない。
単なる自虐行為、いや、虐殺を糾弾する自分は正しいのだと他に認証させるだけの「自慰行為」に過ぎません。

心理学者の岸田秀は、貴方のような左翼について次のように分析しています。
長くなりますが貴方にも十分当てはまる分析だと思いますので以下引用します。

(引用開始/〜前略)

どうして彼らは日本の悪いところしか見ないのでしょうか。

彼らを観察してみると、彼らは、日本人の一人であるにもかかわらず、あたかも自分が日本という国とまったく関係がないかのような視点に立っているように思えます。
そして、第三者の立場から、日本の犯したさまざまな悪事を並べ立て、日本を全面的に悪だと決めつけるのですが、そうすることによって、自分は道徳的に非常に高い視点に立っているかのように錯覚しているんじやないでしょうか。

そうとしか思えないんだけれどね。
日本非難は自分の無罪証明なのです。

罪穢れのない清らかな自分と、罪と悪にまみれた醜い日本とがはっきりしたコントラストを成しています。
彼らは自国である日本の罪悪や欠陥を責め立て悪口を言って喜んでいるのだから、マゾヒストではないかという説があります。

彼らをマゾヒストと見ると、いろいろ思い当たる点がないではありませんが、マゾヒストというより、むしろナルチシストではないかと思いますね。

いちばん大事なのは自分の清らかなイメージで、そういう清らかな自分が罪深く劣等な日本とかかわりがあるとは思いたくなくて、必死に日本を自分から引き離し、遠くへ追いやろうとして、日本を非難攻撃するのだと思います。

日本を非難攻撃しているとき、彼らは、みんなに向かって「俺はこいつとは関係ないんだ」と叫んでいるのです。
たとえば、社会的に成功し、お金持ちになり、白人の妻を娶って白人の社交界に入り、自分は黒人ではないかのごとく、貧しく薄汚い他の黒人たちを軽蔑する黒人がいるとしますね。
彼らはこの種の黒人と同類ではないでしょうか。
あるいは、あるグループが糾弾されたとき、いち早くそこから抜け出して、あたかも自分はそこに属したことはなかったかのように、外部の糾弾者以上に厳しくそのグループを糾弾する人がいますね。
そういう人と似ているように思うんですが、どうでしょうか。

もちろん、心から日本の犯した罪を悔い、被害を受けた人々にすまないと思っている人、真に悔悟していて、謝罪すべきだと思っている人もいます。
そういう人は、自分が直接、手を下したことはなかったとしても、日本が犯した罪を、赤の他人ではなく、あたかも自分の分身が犯したかのように感じて心を痛めています。

真に悔悟している人と、清らかな自分のイメージが大事な彼らとはとこが違うのでしょうか。
どこで区別できるでしょうか。

人間は自己欺瞞が巧みな動物なので、本人の主観は当てになりません。
彼らだって、自分では心から日本の犯した罪を悔いていると思っているでしょう。

要するに、ことは簡単であって、ある人の意見が本物かどうかの基準となるのは行動だけです。
その人の現実の行動がその意見を裏付けているかどうかを見ればいいのです。

たとえば、日本から被害を受けた国の人たちのために、私財を擲っているとか、多大の時間とエネルギーを捧げているとかのことがあれば、その人の謝罪論は本物でしょう。

要するに、被害を受けた人々のために現実に役立つことをどれほどしているか、そのために自分が現実にどれほどのマイナスを引き受けているかということです。

有名な文学者とか評論家としてどれほど聞こえのいい立派な謝罪論をよっていようが(それで原稿料が稼げるし、良心的な人として有名になることもできます)、被害を受けた人々への日本国家の補償をどれほど強く主張していようが(自分の懐は痛みませんから)、そういう裏づけのない人たちの謝罪論は偽りではないかと疑っていいでしょう。

敗戦後の日本にこういう偽りの謝罪論が出てきたのには、それだけの理由があると思います。
偽りの謝罪論を唱える人たちは確かに偽善者ですが、彼らが個人として偽善者であるということだけでは説明がつきません。

それは、敗戦後の日本が、軍国主義時代の日本を、傲慢かつ愚劣な軍部に脅され強制されたとか、一時の熱に浮かされて狂っていたとかの、説明にもならぬ説明でかたづけて、あたかも現在の日本には責任がなく、現在の日本とは無関係であるかのように遠くへ押しやり、それなりの歴史的背景から生じてきた日本という国の、無視することは許されない不可欠の一部として真剣に検討することなく、敗戦前の日本と敗戦後の日本とのつながりを否定し、戦争に負けたことによって間違った過去との縁が切れ、清く正しい日本として新しく出発したなどという大いなる自己欺瞞に走ったことと関係があります。

偽りの謝罪論を唱える人たちの個人的偽善、自己欺瞞は、敗戦後の日本の大掛かりな集団的自己欺瞞の一環なのです。
だからこそ、彼らの自己欺瞞は自己欺瞞と気づかれにくいし、彼らが人気のある有名な文学者や評論家だったりし得るのです。

(後略〜/引用終了/引用元:日本がアメリカを赦す日)

参考ですが、上記の引用については拙ブログ記事↓で詳しく紹介しています。

■自己欺瞞と偽りの謝罪論【その1】
http://yamamoto8hei.blog37.fc2.com/blog-entry-205.html

>山本七平の罪には嘘や嘘翻訳で人々を騙したことだけではなく、こういう物事を上から見ているつもりの思い上がりを量産したこともあげられるというものでしょう。

この発言で貴方が山本七平の主張についてロクに読まず、またその内容をまったく理解せずに批判している事がよく判りました。
七平メソッドなどはAPEMANさんの受け売りでしょうが、都合の悪い言説について嘘つき・ペテン師呼ばわりすることでしか反論できない左翼のお粗末ぶりは、お決まりの定番とはいえ情けない限りですね。

>「相手を言い負かそうとしている否定派」にもこのようなコメントをつけてブックマークすべきだと思いますよ。アリバイ作り的に考えて。どういうサイトをブックマークしてどういうコメントをつけているかを見れば中立気取りな本人の偏りぶりが明らかですから。

そもそも私は中立を装ってませんし、そうしたアリバイを作る必要を感じません。
前述したように、私は「南京事件はあった」が「(中国が主張するような)大虐殺はなかった」という立場です。
南京事件がなかったというネトウヨの主張には与しません。
彼らの主張は幼稚で荒唐無稽でもありますが、心情的には理解できなくもない。

しかしながら、貴方のような左翼の主張には全く賛成できないし共感もできない。
偽善的な主張に対する軽蔑しか感じません。
まぁ、このようなコメントもなかなか他所では表に出してもらえない事が多かったので、前回、ブクマコメを付けさせていただいた訳です。

長々とコメントしてしまいました。乱筆失礼。

D_AmonD_Amon 2011/07/06 20:16 yamamoto8heiさん、まず初めましてではないですね。
貴方は既にこのブログに書き込んだことがあるのですから。
http://d.hatena.ne.jp/D_Amon/20100902/p1

>私が”目糞鼻糞”と評したのは、なにも「事実追究を蔑ろにせよ!」とか「明らかな事実を否定せよ!」とか言いたいが為ではありません。

ええ、普通に考えればこれは史実派と否定派を同列に扱う発言ですよね。それも罵倒的な意味で。

>貴方は自らの主張を「科学vs似非科学」という構図の”科学側”に擬しておられますが、(アウシュビッツのような)物証がない以上、犠牲者数は推定するしかありません。

歴史は社会科学の一種ですよ。物証も発掘された遺骨や撮影された動画とかありますけど。
自然科学でも一部のサンプルから全体を推定しますけど。

>私が本当に指摘したい事は、なぜ南京事件が「大虐殺」として喧伝されたのか?

万単位の人の虐殺が大虐殺として扱われることは不思議なことではないでしょう。まあ、「大」がつくのは日本語や中国語の話ですが。このように発言するということは英語での訳語を知らないのですか?

>また、なぜそれが欧米では「真実として」認知されてしまったのか?
>報道があれば必ずしも即事実として認知される訳でも、「人口に膾炙する」訳でもありません。

なるほど。
で、これの説明に嘘と嘘翻訳の山本七平を引けるわけですか。
それを引いてこれるということ自体が南京事件に関するまともな本を読んでないことの証ですね。
最低限、秦と笠原の南京事件の新書を読んでみられてはいかがでしょうか。

>実際、この件はプロパガンダ戦である事は否めません。
>攻城戦に伴う突発事件がナチスの虐殺に匹敵するものとして捉えられる事自体がそれを証明しています。

こういうのをなんて言ったらいいのでしょうね。色々と認識が歪みすぎだと思います。
南京事件なんて数ある日本軍の戦争犯罪の一つに過ぎず、それが話題になりやすいのは否定派がその否定に熱心だからというものでしょうに。論争史的に考えて。

>山本七平はただ単に「事実を否定しろ!」などとは言っていませんよ。

そうですね。「事実であろうと、なかろうと」は事実であってもそうでなくても否定するということですから、単に「事実を否定しろ!」ということではないですね。でも、それは「否定しないと子孫がとんでもない目に遭いかねないぞ」という脅しであって「耐えうる検証を自ら行うべきだ、と主張している」ことには決してなりません。

>貴方の主張を鑑みると、どうも「日本人が中国の主張を認め受け入れる事が真に反省することだ」と思い込んでいるようです。

yamamoto8heiさんはどうも見えないものが見えるお人のようで。
学問的事実に対して誠実であることと、学問的事実に対して価値判断を行うことは別物ですよ。
学問的事実を心理的に受け入れられない人が相手にそういう虚像を見ることで認知的不協和を解消しているのではないかと私は思います。
まあ、そういう人でもないと山本七平に拠り続けることはできないとも思いますが。

>心理学者の岸田秀は、貴方のような左翼について次のように分析しています。

で?としか。
あまりにも的外れなので。
私は否定論者が歴史的事実を否定するために嘘をつくから、その嘘の種明かしをしているだけです。
否定論者が嘘をつかなければこういうように種明かしをする必要もなく、その分の時間を有意義に使えるので大いに助かるわけです。
しかし、世の中にはそういう否定論の嘘の種明かしをすることに対してyamamoto8heiさんのように絡んできて見当はずれなお説教までしてくれる人が少なからずいるわけです。
私がしていることに不満があるなら、そのそもそもの原因は否定論の嘘にあるわけですから、そっちをどうにかした方が効率がいいと思うんですけどね。

>この発言で貴方が山本七平の主張についてロクに読まず、またその内容をまったく理解せずに批判している事がよく判りました。

えー?私は山本七平の本は結構読みましたよ。実際、実家には私が購入した山本七平の本が結構あります。読まずに批判するのもどうかと思って買い、捨てるのも恥ずかしいゴミを買ってしまったことを後悔しましたけど。あれを読んで途中でおかしいと思えない人は一般教養とか人権感覚とか思考力とかに問題があるのではないかと割と真剣に思います。

>私は「南京事件はあった」が「(中国が主張するような)大虐殺はなかった」という立場です。

では連合国が主張するような虐殺はあったということで。
そういうことではないのでしょうけど、yamamoto8heiさんのような人が中国ばっかり気にしてることはわかる発言ですよね。
yamamoto8heiさんのような人は学問的な史実に目を向けるべきなんだと思いますよ。

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