おさかなラボ

Twitter経由でPlack::Testを見た。なにこれ。もうCGIいらないじゃん。

PlackやPSGIを知らない人は先に適当なページでも見て頂きたい。

で、Plack::Testの何がどうすごいかというと、次のように簡単にPSGIアプリケーションのテストができる。テストコードは宮川さんのものに、クエリ部分を付け加えたものだ。

use Plack::Test;
use Test::More;
use HTTP::Request;
use strict;
use warnings;

my $app = sub {
   my $env = shift;
   my $query = +{
       map { split(/=/) } split(/&/, $env->{QUERY_STRING}),
   };

   return [
       200,
       [ "Content-Type", "text/plain" ],
       [ "The volume is " . $query->{x} * $query->{y} * $query->{z} . q{.} ],
   ];
};

test_psgi $app, sub {
   my $cb = shift;

   my $req = HTTP::Request->new(GET => q{http://localhost/?x=2&y=2&z=2});
   my $res = $cb->($req);

   is $res->code, 200;
   is $res->content, "The volume is 8.";
};

done_testing;

テストの方法は簡単で、HTTPリクエストを作ってやって、@_から渡ってくる「関数への参照」にリクエストを渡してやると$appアプリケーションが実行され、戻り値としてレスポンスが帰ってくるのでその正当性をチェックしてやるだけ。

CGIをテストする場合もuse CGIとかしてコマンドラインから確認とかできるけど、テストじゃなくてTestができるのが違う。CGIを埋め込みでテストしようと思うと、そのテストコードが実行されちゃったりして非常に面倒くさいが、PSGIではこのように簡単便利に行うことができる。

CGIからPSGIへ移行するメリットがあまり見えずにいたが、少しはっきりしてきた。

CGIはゲートウェイが、標準入力や標準出力、環境変数などOS依存する部分に依存していて、その点で可搬性や扱いにおいて不利を受けていた。逆にPSGIは究極的には1つの関数。もっと言えばたった1つの参照で表され、ハンドリングは引数や戻り値といったプログラマブルな側面から行われるので、高い可搬性と扱いやすさを手に入れているといったところか。

もうひとつ、CGIアプリケーションは1つ以上のファイルに代表されるものであり、その中は不可侵であったが、Plackは単なる関数であるのでファイルから切り離された独立した存在として扱うことができる。究極的には1つのファイルに複数のWebアプリケーションを入れることだって可能だ。

ファイルと関数、どちらが扱いやすいかといえばもちろん後者である。ファイルを扱おうとすると、パスだのchrootだのパーミッションだのOSに依存した処理に振り回されることになるが、PSGIはただの関数であるので言語としてそれが動作しさえすればいい。

その簡便さがこのテストに現れていると言っていい。

標準入出力、環境変数、ファイルといったOS依存の呪縛からWebアプリケーションを切り離すこと、ここまでは理解していたが、それがこういった形で明白にされるとその妥当性を認めざるを得ない。

カテゴリー » Web Prog., Perl, UN*X
投稿日 » 2009/12/14 月曜日 - 17:18:37 by かなだ
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