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2011-07-04

ATOK の真の力を引き出す 10 の設定

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いつだったか、まだ左手の小指が軟弱だった頃に、職場の先輩に ATOK を勧めていただきました。そのときは 2週間ほど使ってみて、

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うーん、なんか MS-IME とあんまり変わらなくないですかぁ?

とふざけた感想を述べてしまいましたが、数年経った今になって思うのはやはり設定大事です。きちんと設定をしてはじめてその真価を発揮するものがあります。ブラウザ然り、エディタ然り。


今回は ATOK にスポットを当てて、僕の「本気」設定を紹介しますので、参考にしてください。なお説明は、いま自分が使っている ATOK 定額制 for MacATOK 2010 相当)ベースですが、基本的に Windows 版のものにも当てはまりますのでご安心を。


1. 基本中の基本 -「話し言葉」モード

さて、ATOK の特長のひとつは言うまでもなく変換精度の高さです。そして、設定を「話し言葉」モードにしておくと、さらにその精度は上がります。


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堅い言葉の変換精度が下がるわけではないので、プライベートだけではなく仕事中もこのモードにしておいて大丈夫です。あと、例えば「話し言葉九州」とか方言モードもあります。


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2.「推測変換」を有効にして表示頻度も高くする

変換精度と並んで ATOK の特長だと思うのは「推測変換」です。入力中に変換候補がポップアップされて、Shift + Return で確定するアレです。これの気が利く度がハンパないです。さらに、使い込んでいくとどんどん学習していってくれます。


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ただデフォルトでは若干控えめなので、表示頻度を「高」にしておくと、恩恵を最大限に受けることができます。これも基本ですね。


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3. 逆に「省入力」や「推測候補モード」はオススメしません

逆に、途中までタイプして Tab キーを押すと変換候補がズラズラっと表示される「省入力」機能は、オススメしません。Tab キー押して矢印上下で選択、という時点で遅いです。フツーに打ったほうが早いです。


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また、省入力が自動でポップアップされる「推測候補モード」というものもありますが、候補から選択することに頭を使ってしまいます。そんなところにリソースを割きたくありません。文章に集中したいです。しょーじき気が散ります。


あと、推測候補から選択するキーを、矢印上下だけではなくて Control + N とか Control + P とかに割り当てられたら操作性が上がるんじゃないかと思いますが、どーでしょうか?ジャストシステムさん。


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(2011年7月6日 追記)

ATOK 2011 for Mac になり、推測候補から選択するキーを、矢印上下だけではなくて Control + N や Control + P に割り当てられるようになりました(ATOK 2011 for Windows はまだ使ったことがありません)。


また「推測変換」から「推測候補」の表示へシームレスにつなげることができ、操作性が劇的に改善されました。ジャストシステムさん、ありがとうございました!


4.「推測変換」で使用するデータを追加

さて、話を 2. の「推測変換」に戻しますが(すみません、ややこしいですね)、表示される候補にデータを追加してあげるとさらに便利になります。普段書く文章の内容にも依るでしょうが、下記の3つはオススメです。


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5. 辞書セットを追加

辞書セットは、タイプした後にスペースキーで表示される変換候補に掲載される一覧に影響します。標準辞書だけではなくて、いろいろ追加しておいたほうが良いです。ちなみに僕が突っ込んでいるのは次の6つ(優先度が高い順)。


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6. 句読点と空白文字

前の職場は読点「、」ではなく「,」(カンマ)を使うようにルールが決められていました。「、」を打っていちいち変換とか無駄です。句読点や空白文字(半角なのか全角なのか)はデフォルトでどれを使うかは設定しておいたほうが良いでしょう。


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7. キースタイルは「MS-IME 風」をベースにするのが無難

MS-IME からの乗り換え組が最初に戸惑うのは変換時の文節の扱いだと思います。下記4つについて、Shift キーを使うか否かが MS-IMEATOK では逆だからです。

  • 文節区切り収縮
  • 文節区切り伸張
  • 文節前移動
  • 文節後移動

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そんなユーザのために「MS-IME 風スタイル」というキースタイルが用意されています。他の人のパソコンで MS-IME を使うときのことも考えると「MS-IME 風スタイル」を選択して、改良を加えるときも「MS-IME 風スタイル」をベースにするほうが良いかもしれません。


8. 便利なのに意外と知られていないカタカナ/ひらがな変換

これは既に標準で設定されている項目なのですが、便利なキー割り当てなのに意外と知られていないのがカタカナ変換(Control + I)とひらがな変換(Control + U)です。F7 や F6 でも同様のことができますが、Control キーとの組合せのほうがホームポジションを崩さずに使えます。使う機会は結構あると思うので、覚えておくと役に立ちます。


あ、もちろんコントロールキーは「A」の左にあることを前提にしていますよ。


9. Windows の「半角/全角」キーを卒業する

これは Windows ユーザ限定で、かつ ATOK に限った話ではありませんが、日本語入力と英数入力との切替は「半角/全角」キーではなく「変換」キーと「無変換」キーで行うように設定しておいたほうがはかどります。

  • 変換キー >> 日本語入力モード
  • 無変換キー >> 英数入力モード

今がどちらのモードになっていようと、日本語入力するときは変換キーを押してからタイプすればよいので、いちいち今がどっちのモードだったっけ?と確認しなくて済みます。


10. たまには登録単語の整理を

仕事道具にはメンテナンスも必要です。たまには登録した単語(辞書ユーティリティ)の整理も行ってあげてください。誤って学習された単語の削除などを。


また、よく使う単語の登録も。例えば、自分の住所や職場の住所を「じゅうしょ」で登録しておくと何かと便利です。ちなみに僕は単語登録を Control + Shift + O(オー)に割り当てています。*1


おまけ 1 - おまかせキーワードチャージャー

ATOK 2011 から、RSS を定期的に学習していく機能(おまかせキーワードチャージャー)がついているらしいです。僕はまだ使ったことないですが、ちょっと気になっています。

ATOK 2011 for Windows [ベーシック] 通常版

ATOK 2011 for Windows [ベーシック] 通常版

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あなたに必要なことばをどんどんチャージ!|日本語入力システム ATOK 2011 for Windows


ATOK 2011 for Mac は、2011年7月8日に発売されるそうです。定額制サービスも同日から ATOK 2011 相当のものを使えるとか。やったね!

おまけ 2 - ATOKGoogle 日本語入力、どっちが強いの?

ATOKGoogle 日本語入力、どっちが変換精度高いの?という声をよく聞きます。Google 日本語入力はウェブ上の言葉を集めてできているので、例えば 2chニコニコ動画用途に限っていえば、Google 日本語入力のほうに軍配が上がるかもしれません。


しかし、どちらも使ってみた印象としては、ウェブ(というか 2chニコ動)にどっぷり嵌っていない人の一般的な用途では ATOK のほうが変換精度が高いと思います。また、ATOK は変換精度だけではなく「推測変換」が非常に優れているので、総合的な快適さでは ATOK が圧倒的に上です。下記の記事も参考になります。


おまけ 3 - SKK?なにそれ美味しいの?

書こうか迷いましたが、知っている人は知っている SKK にも一応触れておきます(知らない人は下記サイトを参照してください)。


SKK では文節と送り仮名の区切りを人間が指定できるので、変換精度だけならおそらく最強だろうと思います。悪名高い「ここではきものをぬぎましょう」も正確に意図したとおりに変換できます。


ただ僕も Emacs ユーザの端くれとして一度は挑戦してみましたが、あの独特の変換方法に馴染めず挫折しました。また逆にあの変換方法に慣れてしまうと、それはそれで他の人のパソコン(サーバ含む)を扱うときに苦労しそうな気もします。やはり ATOK の推測変換 >> Shift + Return キーが一番自分に合ってると思います。




以上です。他にも便利な設定や使い方等がありましたら、コメントやはてブ等で教えていただければと。よろしくお願いします。


ではでは。




参考サイト

*1:本当は Control + Shift + W(Word の頭文字)に割り当てたかったのですが、既に他で使っていたので 2番目の文字である O を割り当てました。

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