高層ビルで揺れ、三豊百貨店の悪夢

 1995年6月29日、三豊百貨店が崩壊する数時間前。同百貨店の中にいた人たちは、数回にわたって異常な兆候を察知していた。内部の柱にひびが入り、天井が曲がって垂れ下がった。屋上の冷却塔は運転が停止し、中の冷却水が沸騰したり、漏れたりした。

 テクノマートでは、三豊百貨店で見られたような崩壊の兆候は見られなかった。物が床に落ちたわけでもなく、ひび割れた個所もない。しかし「三豊百貨店崩壊の前兆」を記憶している人々は、テクノマートで揺れが発生したとき、不安感に包まれたという。6階で勤務していた店員は「建物が上下に揺れたという話を聞いたとき、三豊百貨店の崩壊の前兆とされたことが頭に浮かび、不安になって階段を駆け降りた」と話した。また、20階で勤務していたLさん(35)は「建物がときどき揺れたため、何か問題があるのではないかと思っていた」と語った。

 周辺のマンションの住民や、テクノマートの一部テナントの従業員たちは一日中不安に包まれた。テクノマートの周辺には会社員たちが集まり「まさか、三豊百貨店のようなことになるのでは」「昨日も振動があったというが」などと心配そうに話した。

イ・ミジ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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