英市場調査会社TNSが実施した2011年版「アジアトップ1000ブランド」で、ソニーが1位に輝いた。2010年度に32億ドル以上の損失を計上した ほか、4月にプレイステーション・ネットワーク(PSN)がハッカー攻撃を受け、1億件以上の個人情報が漏えいする問題が発生したにもかかわらず、ソニー はトップの座を維持した。
2位から5位には、サムスン電子、パナソニック、LG電子、キヤノンのエレクトロニクス大手がランクイン。トップ5は昨年と同じ順位を維持した。経済発展が進むアジア地域でマスマーケットをターゲットに行ってきた日々の販促活動が反映される形となった。
アジア地域では、高級ブランドに対する消費意欲は高まっているが、アパレル・小物や自動車などの高級ブランドで25位以内に食い込むことに成功したものはなく、多くが昨年の順位をなんとか維持するにとどまった。
「高級ブランドは、マスマーケット向けの商品ではない」と、TNSのコマーシャル・ディレクター、トーマス・アイザック氏はコメント。アジアのほとんどの国々で、ルイ・ヴィトンはあまり知られていないが、ソニーは一般的に知られていると説明した。
シャネル、ロレックス、BMWの高級ブランドはそれぞれ、30位、42位、49位にランクイン。トップ50になんとか食い込んだ高級ブランドはこれら3社のみだった。グッチは約20もランクを落とし、81位に沈んだ。
アジア最大級の高級ブランド市場である香港では、ソニーとパナソニックが2年連続で1位と2位にランクイン。キヤノン、アップル、HSBCがこれに続いた。高級ブランドのなかで最高位だったのはクリスチャン・ディオールの40位だった。
2011年版「アジアトップ1000ブランド」の調査は、アジア10地域でインターネットを用いて実施された。さまざまな収入層にわたる15~64歳の3300人余りの消費者を対象に、アジア地域でもっとも価値の高いブランドを尋ねた。