話題

文字サイズ変更

生食用牛肉:処理業者に表面加熱義務づけ…厚労省部会了承

 焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件を受け、生肉の安全対策を検討している厚生労働省の食中毒・乳肉水産食品合同部会は6日、生食用牛肉を扱う食肉処理業者に対し、肉表面の加熱処理を義務づけることなどを柱とする新たな規格基準案を大筋で了承した。食品衛生法に基づく罰則付きの基準とし、違反した場合は営業停止などの処分を科す。

 近く内閣府食品安全委員会の意見を聞いた上でパブリックコメントを実施し、10月の新基準施行を目指す。加工や調理基準が厳格化され罰則も設けられることで、ユッケやレバ刺しなどの生肉を提供する飲食店が大幅に減る可能性がある。

 基準案は、食肉処理業者が生食用の食肉を枝肉から切り分ける際は「衛生的に切り出し速やかに密封包装し、肉塊の表面から1センチ以上の深さを60度で2分間以上加熱殺菌する」ことなどを求めた。

 業者や飲食店が加熱部分をそぎ落とし、生の部分だけを客に提供することは可能。業者による加工や飲食店での調理については「生食用と加熱用の設備を明確に区分し、調理器具も生食専用のものを用いる」と定めた。牛レバーや馬、鶏の生肉の安全対策については引き続き検討する。

 現行の基準は、96年に発生した病原性大腸菌O157による集団食中毒を受け98年に策定されたが、行政指導にとどまり法的強制力がなかった。厚労省が5月に実施した緊急調査で全国の飲食店の52%、食肉処理業者の35%が基準に違反していた。【佐々木洋】

毎日新聞 2011年7月6日 13時29分(最終更新 7月6日 13時42分)

PR情報

スポンサーサイト検索

話題 アーカイブ一覧

 
Follow Me!

おすすめ情報

毎日jp共同企画