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【サッカー】

<目撃者>なでしこの強さの秘密は高い技術と自由なムード

2011年7月6日 紙面から

 イングランド戦の前日練習で、なでしこジャパンの選手たちは、ワーワー、キャーキャーと小学生のように大騒ぎしていた。見ているこっちが笑ってしまうくらい、緊張のかけらもない。とはいえ、史上2度目の8強入りを決め、イングランド戦が単なる順位決定戦だから、気持ちが緩んでいたわけではない。なでしこジャパンの練習は大抵、こんな雰囲気だ。

 中でも大声を張り上げ、盛り上げるのは宮間(岡山湯郷)と大野(INAC)。丸山(ジェフ千葉)がボケて、主将の沢(INAC)が突っ込みを入れる。彼女たちに共通するのは、「ベレーザ上がり」という点だ。

 実は、なでしこジャパンのメンバー21人のうち、ベレーザとその下部組織のメニーナ出身者は、計9人もいる。かつての「読売ベレーザ」、いまの「日テレ・ベレーザ」は、日本女子リーグ(なでしこリーグ)で最多の通算12回優勝、全日本女子選手権でも最多の通算10回優勝を誇る日本女子最強チームだ。伝統的に自由で独特の雰囲気がある。

 宮間は言う。「なでしこと、ベレーザはサッカーの感覚として近いものがある」

 こうした雰囲気を許し、さらに拍車を掛けさせているのが佐々木監督だ。女子スポーツ界では厳格で、「俺について来い」というタイプの指導者が多い。だが佐々木監督は選手から気軽に「ノリさん」と呼ばれ、「いじられ役」でもある。

 もちろん怒鳴ることもあるが、ノリさんは選手たちの意見をよく聞く。岩清水は言う。「後ろから見ていて、選手たちはオートマチックにプレーを判断している。監督が型にはめるのではなく、選手たち自身で判断できる。それがなでしこジャパンの強みです」

 ベレーザとノリさんの融合。これがなでしこジャパン躍進の一因である。

(原田公樹)

 

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