市橋達也
7月4日に初公判
千葉地裁
千葉県市川市で2007年、英会話講師の英国人女性リンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=が遺体で見つかった事件で、殺人罪などで起訴された無
職市橋達也被告(32)の裁判員裁判について、千葉地裁(堀田真哉裁判長)は19日、初公判を7月4日に開くと明らかにした。
地裁によると、6月28日に裁判員選任手続きを行い、7月4~12日の間に計6回開廷。7月21日に判決が言い渡される予定。公判前整理手続きは19日に終了した。
市橋被告は殺人罪のほか、強姦致死と死体遺棄の罪に問われ、弁護側は死体遺棄罪を認めた上で殺意はなかったとして、傷害致死と強姦の罪に当たると主張する方針。
弁護側によると、殺意の有無や死亡に至る暴行の態様、強姦致死罪が成立するかどうかが主な争点となる。リンゼイさんの両親や司法解剖の担当医、市橋被告の大学時代の教員ら6人が証人として出廷する予定。
リンゼイさんの両親は、被害者参加制度に基づき出廷する見通し。
起訴状によると、市橋被告は07年3月25日ごろ、自室でリンゼイさんに性的暴行を加えた上で窒息死させ、ベランダの浴槽に遺体を遺棄したとしている。
市川の英女性殺害:殺意の有無、争点に
被告の心理や真相、裁判員どこまで
市川市で07年、英国人女性の英会話講師リンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22歳)の遺体が見つかった事件で、殺人、強姦(ごうかん)致死、死
体遺棄の3罪に問われる市橋達也被告(32)の注目の裁判員裁判が、いよいよ7月4日に始まる。2年7カ月間も逃げ続け、整形手術を繰り返し、逮捕後に手
記を出版した市橋被告。最大の争点は殺意の有無で、その心理や事件の真相に裁判員がどこまで迫れるのか注目される。
◇公判
この事件で千葉地裁(堀田真哉裁判長)は19日に公判前整理手続きを終了し、初公判を7月4日に指定。計6回の公判と5日間の評議を経て、判決を21日に言い渡す=表。
弁護団によると、リンゼイさんの両親は被害者参加制度で裁判への参加が認められた。両親や司法解剖の担当医、市橋被告の大学時代の教員など6人が証人として出廷する。被告人質問は4日間かけて行われる予定。
◇強姦致死も
最大の争点は殺意の有無。また、強姦致死罪が成立するかどうかも争う。死体遺棄罪は争いがない。
殺意について、市橋被告は「リンゼイさんが死亡した責任は自分にあるが、殺すつもりはなかった」と話し、否認しているという。
強姦致死罪は、性的暴行と殺害行為が時間的に連続しているかどうかが成立のかぎとなる。リンゼイさんの死亡推定時刻について、検察側は「遅くとも
性的暴行があった翌日まで」と幅を持たせた上で、「仮に死亡が性的暴行の翌日だったとしても、拘束状態が続いおり、いつでも暴行することが可能だった」と
同罪の成立を主張している。これに対し、弁護側は「時間を経て市橋被告の暴行への意欲はうせている」と主張し、「強姦罪と傷害致死罪にとどまる」と罪名を
争う方針だ。
◇手記の印税
市橋被告は1月に手記を出版し、印税を被害弁償に充てると申し出ている。これについて弁護団は19日、「出版社から4月上旬に
が送金された」と明らかにした。4月中に遺族の代理人に書面で連絡するという。
◇ ◇
起訴状によると、市橋被告は07年3月25日ごろ、市川市のマンション自室でリンゼイさんの顔などを殴り手首を縛って性的暴行を加え、首を圧迫して窒息死させ、ベランダに置いた浴槽に遺体を遺棄したとされる。
市橋被告は事件直後マンション自室を訪れた警察官の職務質問を振り切り、裸足のまま逃走。殺人容疑で指名手配を受け、2年7カ月間も逃亡生活を続
けた。その間、大阪などで土木作業員として働き、顔の整形手術を繰り返したとされる。09年11月、大阪南港の沖縄行きフェリー乗り場待合室で身柄を確保
された。
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◇リンゼイさん事件の裁判日程◇
6月28日 裁判員選任手続き
7月 4日 午後 第1回 冒頭陳述
5日 午前・午後 第2回 証人尋問1人
7日 午前・午後 第3回 証人尋問1人
被告人質問
8日 午前・午後 第4回 証人尋問1人
被告人質問
11日 午前・午後 第5回 証人尋問4人
被告人質問
12日 午前・午後 第6回 被告人質問
論告・弁論
最終陳述
13日 評議
14日 評議
15日 評議
19日 評議
20日 評議
21日 午後 第7回 判決
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