左手小指の開放性脱臼で離脱中のGK楢崎正剛(35)が5日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターでGK練習を再開した。6月25日の浦和戦(豊田ス)で負傷し全治4週間と診断されているが、9日の神戸戦(ホムスタ)で復帰する可能性がでてきた。
約1時間半の午後練習が終わりかけたとき、両手にグローブをはめた楢崎がのっそり現れた。全治4週間と診断された負傷から、まだ1週間しかたっていない。伊藤GKコーチのキックに、楢崎は慎重にキャッチを繰り返した。クロスボールの処理に続いて、最後はセービングを伴うシュート対応もこなした。
「もちろん、気になりますよ」という楢崎は、左手の感触に神経を払いながらも、練習の合間には大きな笑い声も飛び出した。「(チームで一番強烈な)ダニルソンのシュートを止められるようになったら、イケるんじゃないかな」と復帰の第1ステップを踏んで、声も弾む。
9日の神戸戦で復帰する可能性が出てきたが、まだ確信できるレベルではない。「これから少しずつ確認するところ」という伊藤GKコーチは「普通の脱臼なら問題はないけどね」と慎重な姿勢を崩さない。
楢崎の場合は、小指の第1関節から骨が飛び出す開放性脱臼で、完治はまだ先。伊藤GKコーチは「恐怖心なくプレーができるかどうか。きょうは問題なく練習していたが、相手がいる状況ではまた違う」と説明した。
傷口の抜糸は6日以降で現在、小指のギプスを制作中。試合ではテーピングで固定するだけのつもりだが、安心して練習に打ち込むための保護具も用意している。これまで、空中戦であごの骨を折られても、味方とぶつかって、太ももが腫れ上がるほどの打撲を受けても、練習に復帰した瞬間から、恐怖心を全く見せなかった楢崎。早期復帰への期待は高まる。 (木本邦彦)
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