昨年後半から、IPOの主幹事が野村と大和に集中しています。
そこで、野村と大和のIPOの配分について、考察してみました。
使用データは、日本証券業協会から公表されている、昨年3月上場IPOの配分データのみです。
以下、考察といっても使用したデータがわずかですから、かなりの独断と推測が入っています。
1、個人への配分割合
IPOの配分のベースになるのが、個人への配分割合である。
個人への配分については、銘柄によってバラツキがあるが、概ね大和の方が野村より比率が高いようである。
両者とも80%前後(OA分を考慮せず)の場合が多いが、主幹事の場合に差がでる。
野村は主幹事の場合でも80%程度、大和は90%を超えるものも多く見受けられる。
2、抽選による配分と当選確率
我々が最も気になるのが、抽選による配分と当選確率であろう。
抽選による配分については、野村、大和ともほぼ公表している通りのようであるが微妙に差がある。
野村は、完全抽選分を平均で10%あればよいと考えているようで、個別銘柄では10%未満のことも多い。
一方、大和は、完全抽選分が15%で、これを下回るものはほとんどない。
また、ダイレクトコースのみ交換ポイントの残高による5%分の上乗せ抽選がある。
実質、抽選している比率は、大和が野村の2倍以上になっている。
当選確率であるが、野村が前受け制度のないことを考慮すると、かなり応募者が多いことが想定される。
したがって、野村の当選確率は大和の1/3程度でないかと推測される。
実際に、私の3年間の抽選実績によると、
野村227戦3勝(1.32%)、大和342戦13勝(3.80%)で推測値とほぼ一致する。
但し、上記実績は、USJとかアコーディアとかの大型IPOのほとんどを見送った結果である。
全部に応募していたらもう少し当選確率がアップしたと思われるが、野村と大和の確率差は変わらないであろう。
2口座3年間の結果であるから、大型IPOをパスすると、野村は1口座では2年に1回しか当選しないことになる。
3、裁量配分とその可能性
抽選での当選確率が極めて低い中、野村も大和も圧倒的にウエートが大きいのが裁量配分である。
では、裁量配分にありつける可能性はどうか? まず配分データから考察してみた。
野村の主幹事IPOの裁量配分は、1人平均5単位前後となっており集中度が高いのが際立つ。
1度に10単位とかを貰うのはどんな人であろうか? ラップ口座の補てんであろうか?
これではなかなか庶民には廻ってこないのも道理である。
大和の配分は1人平均2単位前後、こちらも中堅証券が主幹事の場合に比べ若干集中度が高い。
中堅証券の主幹事の時は、1人平均1単位強のことが多い。(小粒な案件が多いことにもよると思うが)
野村も大和も、裁量でIPOの配分を受けるのは、かなりのハードルがあるのは間違いなかろう。
中でも、野村の敷居の高さは格別なようである。
野村はIPOを大口個人顧客用と位置づけ、営業のニンジンとして使うような姑息なことはしないということだろうか。
その点、大和の方がニンジンをぶら下げるようで、我々庶民にも攻略の糸口があるように思う。
しかし、その大和にしても人気IPOに1回くらいはありつけたとしても、継続してゲットするのは困難なような気がする。
下手をすれば、割高な投信とかを買わされて、IPOの儲けの数倍の含み損を抱えそうである。
遅くなりましたが、確定申告のアドバイスありがとうございます。
今週末に挑戦してみます。