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きょうのコラム「時鐘」 2011年7月6日
連載小説「親鸞」のきのうの挿絵は、「南摩陀接吻」の文字が大書してあった。発想豊かな山口晃さんの絵はいつも楽しい。今度は謎掛け
五つの文字をどれだけ見詰めても解けないが、本文を読み進めば答えは見つかる。「接吻」を「ブチュ」と読ませて「なーまーだぶちゅ」で、幼子のとなえるお念仏という種明かし。愉快な言葉遊びである 居酒屋で「春夏冬二升五合」と書かれた木札を見かける。「秋が無いからあきない(商い)」と、ほろ酔いの場の話のタネになる。二升五合は「ますます繁盛」。なかなか手が込んでいる 知恵を出せ、と説教した大臣がいきなりクビを差し出した。「知恵」と書いてクビと読ませる。きのうはむちゃな言葉遊びも教わった。乱暴極まりないが、現に、周囲がいくら騒ぎ立ててもクビを差し出さぬ知恵の乏しそうな人もいる。知恵とクビが同じとは、奇妙で不思議な世界である 商いで大切なのは「飽きないこと」と、居酒屋の主人が話す。これも同音で違う意味を指す言葉遊び。「春夏冬」の木札がふさわしい政治家もいる。放言、陳謝、クビ。いつまでも飽きない人たちである。 |