この前の事件があってから、一週間後・・・エーフィ(♀)の「ミスティック」は、ずっと入院していたのだが、もうすっかり元気になったようで、 ブラッキー(♂)の「ムーンライト」と2匹で同居しているマンションに戻っていた。ところが、ミスティックは、怪我の後遺症が残っていて、あまり腕が動かなくなっていたのだ。 なんとか生活はしていけてるようだが、利き手である方の右腕が動かないというのは、とても生活に支障をもたらしていた。 ミスティックの事故による精神的ショックにより、ムーンライトは精神に強いダメージを受け、心の病になってしまっていた。助かったと思ったのだが、2匹共とても危険な状態だったのだ。 精神病院で処方された薬を飲まないとムーンライトは普通の状態ではいられなくなっていたので、毎日のように大量に薬を飲み続けた。 今日もムーンライトは薬を取り出すと、水を入れたコップで、大量に薬を飲み始めていた。「・・・・・。」その様子を、ミスティックが心配そうに見つめていた。 「・・・ねぇ、そんなに薬ばっかり飲んでたら体にも悪いわよっ・・・お願いだから、もうやめてっ・・・」ミスティックは、薬の飲み過ぎで体を壊していくムーンライトを見つめて、涙を流しながら叫んだ。 ムーンライトの様子を普段からずっと見ていたミスティックは、とても不安に感じていたのだった。「・・・・・。」ムーンライトの動きが止まった。 「・・・うるさい・・・俺の事なんて、お前には関係ないだろ・・・」とムーンライトが呟く。「・・・関係あるわよ、だって私達、恋人同士でしょっ・・・愛を誓い合ったの、忘れたのっ・・・!?」とミスティックが叫ぶ。 「・・・恋人同士・・・?元は他人だったじゃないか・・・それに、俺がこうなったのは・・・全部お前のせいなんだよっ!!!」とムーンライトが叫ぶ。 「っ・・・」ミスティックは涙を流しながら言葉を失っていた。「・・・でも・・・」「でもじゃない!!!こうなったらもう、恋人でもなんでもないんだよっ!!!」 ムーンライトは叫ぶと、傍にあったナイフを取り出して、ミスティックに向かって投げつけた。「・・・・・!!!」慌てて避けたのだが、ナイフはミスティックの頭上の壁に突き刺さった。 「・・・なんで・・・こんな事っ・・・」ミスティックは涙をぽろぽろこぼしながら座り込んでいたのだが、「・・・もう、知らないっ!!!貴方なんて、もう恋人でもなんでもないわ!!!好きにすればいいのよ!!!」 ミスティックはそう叫ぶと、BAN!!!とドアを閉めると、マンションを出て行ってしまった・・・。「・・・・・。」ムーンライトは、座り込んでいた。 「・・・俺は、一体何を・・・」呆然と呟いた。「ミスティック・・・俺の、せいだ・・・なんて事を・・・」と、呟いたのだった。 ・・・ミスティックは、涙を流しながら、ひたすら町の中を走り続けていた。あんな事言ったんだから、もうあのマンションには帰れない・・・行き場を失っていたミスティックは、この先どうしたらいいのかわからなかった。 しかも、右腕が思うように動かないミスティックには、外に出るのもかなり危険な事だった。その時、「パッパー」と大きなクラクションの音がすると、 一台の車がミスティックに向かって突っ込んで来たのだった。「・・・!!!」慌てて避けるが、危機一髪で助かったのだが、「ブロロロ・・・」と車は遠くに走り去って行ってしまった。 「・・・・・。」怖さのあまり、ミスティックは道路の脇に座り込んでいた。また事故に遭ってしまったら、またムーンライトを心配させる事になる・・・。 ・・・すると、「おーい!!!」と遠くから声がして、ミスティックが振り向くと、なんとそこには、あのムーンライトが走って来ていたのだった・・・!!! 「・・・・・!!!」とても信じられないような光景に、ミスティックは涙をぽろぽろとこぼした。そして、2匹は感動の再会を果たし、抱き合ったのだった・・・。 「さっきは本当に、悪かった・・・また、やり直せるよ・・・きっと」「ええ、もうずっと、離さないからっ・・・」ミスティックは、涙を流し続けていた。そして、2匹はまた一緒に生きていく事を誓い合ったのだった・・・。 -------------------------------------------------------------------------------- エーフィ×ブラッキー物語の続編を書きました。 あまり 私的には気に入っていないのですが、なんか変な話に なっちゃいました・・・。 とりあえずこれで完結にします。 |