「俺は神の声を聞いた」
「そうか、俺も聞いたよ　死ね！」

突如、世界は神を名乗る何者かの声を受信する人で溢れた
その声がいったい何なのかはわからなかったが
世界恐慌で景気が悪く、暴動の一歩手前だった各国では
その声を聞いた者たちが互いに殺しあった


しかし真相を知るものがいた
「なんてことだ　まさかゴキブリ用超音波を改良したら、人間の屑同士で殺しあうなんて・・・」
「博士、公表すべきでは？」
「待ちなさい、われわれ善意の科学者が社会利益のために開発していたゴキブリ退治用兵器が人間にも効いただけの事じゃないか」
「はぁ、じゃあまた金庫に資料は入れておきますね」










ということがあったんだよ」
「また警備先で寝てやがったなこいつ」
「マスター、焼き鳥追加」

「時空犯罪者、トミタケ！著作権法違反で逮捕する！」
前世の文化をそのままぱくって偉大な音楽家であり、文学者となって
この世の春を謳歌していたトミタケは身柄を拘束された
モンブランのような家にずかずかと土足で踏み込んでくるスーツにネクタイ
「超時空JASRACもとい、楽曲管理局員か！」
「あなたはこの世界で沢山の音楽や小説などを販売して利益を得ましたね？」
「偶然の一致だ！」

「アカシックレコードアクセス！」
管理局員がPDAに付いた読み取りセンサーでトミタケの体をスキャンする
すべてを監視し情報を蓄積しているデータベースにアクセスし、トミタケの書いた物と原点世界のデータと照合する為にアストラル認証で個人を特定するのだ

「80パーセントが一致した、これより強制徴収を執行する！」
トミタケの体が量子分解され情報となり、抽象化された掃除機で
魂が崩壊しない程度にマナを吸い取る

マナは魂を構成する単位でたいていの世界に存在するので
管理局はこのマナを使用量として引き落としする

トミタケの家は高級住宅街にあったので、騒ぎに乗じて
浮浪少年たちが様子を伺っている

「思ったより違法コピーが多いな」
「よし、面倒だから広域徴収（ＳＰＡＭ）する」
「げっあれは無関係な人間からも吸い取るからクレームが増えるぞ」
「なにどうせ文句を言うだけだろう」

管理局が富裕層から徴収した結果、国家を支える高級官僚や商人たちは
まさに抜け殻となり
大国の崩壊が引き金となり世界が滅亡する
現地民がいくら死のうが感知しない　これが管理局が嫌われる原因である

「この彗星が地球に落ちたら大変な事になる！」
「本当ですか科学長官！スクープだ！」

太陽系を回っている直径一メートル以上の物体は
宇宙軍が監視している

突如、何十兆トンもの大きな彗星が地球軌道とぶつかることがわかった

「この彗星が落ちたら、今までに削減してきたCO2の量が無意味になる・・・」
エコ脳という地球環境の事しか考えないある種の精神疾患が政治家に蔓延していた為に国民の保護よりもどうやって二酸化炭素を減らすかを議論し始めた

地震観測所ではプレートひずみが増大しており、彗星の落下と同時に
地球上のあらゆる火山が噴火するだろうと政府にレポートを送った

政府はCO2のさらなる増大に閣僚の殆どが発狂して総選挙する事になったが政治家はシェルターに逃げ込んで食料などを買い集め始めた

さらに日本の環境エコリストたちはアメリカの核ミサイルでの軌道変更に抗議して
宇宙機発着場を占拠して全員射殺された

アメリカの核爆弾在庫一斉セールとでもいうべき乱れうちにより
軌道がずれ、地球は救われた

その一方でエコに固執するあまり世界平和に対する罪を犯した日本の
エコリストたちは
酸素消費を下げる罰として高山地帯に移住させられ原始的な生活をして
CO2削減に貢献した

「パワーレンジャー出動だ！」
「オーケー！」
アメリカ合衆国の50州それぞれの軍人から選抜された
対BETA特殊部隊パワーレンジャー

BETAという宇宙からの破壊者は夕呼博士が提唱した因果律宇宙論の関係で
日本に襲来していたが

国土の狭い日本で都市が破壊され、BETAを誘引するA-01部隊は
アメリカのエリア51に移された

アメリカは恐竜絶滅を起こしたと思われる巨大クレーターから
古代の兵器を発掘しそれを使ってBETAを間引きする事にした

過疎地とは言うものの核は環境を破壊するので使えない
BETAは戦術を使わないが、小型BETAは倒されると周囲の物質を取り込んだ巨大化する
不安定な放射性同位体を集めて宇宙に送るのが目的だと推察されるが
ベータの体内に取り込まれた同位体は時間がとまったかのように安定して崩壊しない
それがパワーレンジャーの武器でダメージを加えると
安定フィールドが消失し巨大化をはじめる
「疾風怒濤のテキサスレンジャー参上！」
特殊なフィールドをまとった小型BETAはそのエネルギーの大半を巨大化に費やすために通常攻撃が可能となる
「夢と御伽噺のフロリダレンジャー参上！」
パワーレンジャーは年中無休で合衆国の平和を守っているのだ
シフト制を取っており誰かしら起きている
そしてマッハの速度で急行するとたまにビルや建物を破壊しながらBETAを郊外に誘導し心置きなく戦うのだ
「吹けよ北風！アラスカレンジャー参上！」

パワーレンジャーの給与は完全出来高制である
この50人は戦闘で死んだり産休などで入れ替わる

チームは五人ごとに十チーム存在する

「大統領権限により超合体承認！スイッチオーん！」
大統領と副大統領がその強すぎる戦略兵器である巨大ロボへの合体許可を出す

帝国日本はアメリカがBETAに毎週襲撃されるので
身代わり料として毎年思いやり予算を計上している

その予算で超科学の産物であるロボットを製造し国内限定で使用している
アメリカの領土から出ると自爆するように装置が備えられている

「さて集まってもらったのは他でもない、コロニーはもはや経済的自立・文化的自立を果たしたあとは政治的自立すれば独立国家の仲間入りである」
「議長、われわれには独自の戦力がありません。地球の宗主国に高い税金を掛けられるのは許せません。」
「そうだな、宇宙から重力井戸に物資を運ぶのは安く済むが逆は燃料が嵩む。軌道エレベーターはテロの対象となりやすいし、エレベータ倒壊時の為に打ち上げ施設を常時スタンバイさせるのであれば意味が無いからな。だから経済的に対等になると判っていてもどの国もやりたがらないのだ。話がそれたな、われわれには技術はあるが人的資源で不利である。総力戦などもっての外だ。戦闘行為などデブリを大量に作り出し経済的ダメージは計り知れないだろう。」

ではどうするのか

「地球が独立を認めないのであれば、異星人に地球を売る。銀河系中央であれば古い星もあるだろうし誰か興味を持ってくれるだろう。」
「なんてことだ」

議長は風呂で居眠りして浴槽のふちに頭をぶつけてちょと気が変になってしまったのだ。

謎の怪電波がそれから発射されることになった

電波を出してから十年が経った、議長はやっぱり変になったままだった。
相変わらず宇宙コロニーは地球に資源や製品を送り続けている。
みなが死んだ魚みたいな目をしながら労働していると、公共放送のチャンネルがわけのわからない映像を映し出した。
「資源を取りつくして不要との事ですが、残念ながら買取不可と算定致しました。こちらで無料引取りしますがどうしますか？」
さまざまな形の宇宙船とその乗組員である不可思議な生命体が地球を解体しにやってきたのである

「だまされてはいけない、われわれが同じ重さの惑星コンピューターと交換してあげよう」
悪質な中古買取業者も居れば比較的良心的な業者も居たのだ
もちろん惑星コンピューターは型遅れで倉庫で寝かせてあったような代物だが人類の計算機を全て足し合わせても遠く及ばないスーパーな計算機である
宇宙コロニーはラグランジェポイントに置くのが望ましい
コロニーの代表者はコンピューターであれば役に立つと思い二つ返事をしたのだった

こうして宇宙コロニーは他力本願で見事地球のくびきから解き放たれた

突如として人類の髪の毛を刈り始めた宇宙人
「こいつだ！」

そして遺伝子を解析され一人、美少女エイリアンに性的な意味で襲われた
ごく普通の青年

「ふう、美人局じゃないよな？」
青年は隣で全裸で寝ている美少女エイリアンに気づかれないように逃げ出した

アレクサンダー・レオナルド20世ジュニア
西洋風な名前だが日本人である


軌道上に浮かぶ、おおきなたまねぎ型宇宙船の実験室
宇宙人の科学者はアレクの精子DNAをシーケンサーに掛けると
コンピューターから出てきた答えに満足そうにニヤニヤした

「やはり、コスミックビリヤードの十番手が鍵だな」

地球の生物が持っているDNAのうち、なんだかよくわからない
折りたたみ構造の為の配列は宇宙人科学者が作った計算データーなのである
その最終結果がアレクの精子DNAに含まれていた
そのとき、超空間通信が入る
「ドクター、コスミックビリヤード十番手理論は古いですよ。われわれはM78星雲の第三太陽系第五惑星で計算しました。」
「なんだと！せっかく一億年掛けたのに！」
宇宙人科学者は触手をうねらせながら先端をピカピカ光らせる
これは失望と怒りを情緒的に表現する反射動作

「ここはもう使えないから、種まきするか」
ランダムに地球人をさらうと遺伝子導入し、食べきれないほどの
ゼラチンと塩と水を傍らに置いた

そして光速で近隣の太陽系に移動すると

トラクタービームで惑星を移動させ、環境を整えるとさらって来た地球人と食べ物と丈夫に作った小屋を置く

いわゆる初期フォーマットと計算開始のブートルーティン

宇宙に散らばる地球人とほぼ同一の知性体は全て
コスミックビリヤードの最善手計算結果である

認識介入システム　それは人間原理を応用してコネコネしたマシーンである
電力線が常時イオン臭を発していて、歯車がジーコジーコ回転し
よくわからないアンテナが受信と送信をしている
冷却の為にフロンがシューシュー音を出しながら沸騰している

「それでこれは何が出来るんだ？」
ジャパン国の科学大臣が研究所所長に聞く
「説明して差し上げろ」
所長が教授に
「おい」
教授が院生に顎で促す
「ん」
院生は床で寝ていた猫を軽く蹴って起こす

「にゅあー　にゃにゃにゃ　なー　なーごろごなーごろごろ」
猫はうとうとしていたのかびくりと飛び起きるとえさの催促をする

院生が猫にえさをあげると満足したのか、マシンに開けられた扉を開けて中で眠りに付く

「このようにシュレディンガーの猫を使った平行宇宙を作り出しうんぬんかんぬん」

「それで何が出来るのだ？」
科学大臣は忍耐強く３０分説明を聞いていたが、知能が高くなかった為に理解できなかったのだ

「物には命数がある、俺はそれを解析するソフトを作った」

壊れた電子レンジとアナログテレビ、ビデオデッキにPC-98
そして瓶詰めの脳みそ　8mmビデオカメラ（パスポートサイズ

それらを分解して再構成したようなぐちゃぐちゃしたものが
ラックに仮組みされている

大学を中退してアルバイトをしながら貯めた金で専門書を購入し
首になったのを機会に本格的に時間をとって作り上げたのだ

「こいつは高性能だから複雑な対象物の寿命を計算してくれる、俺の寿命も計算させたがあと五十年プラスマイナス五年と出た。」

ひとりきりの部屋で携帯カメラで動画を取りながら解説している
これは売り込みメールに添付するいわば営業活動の一環というやつである

ちょうどテレビがニュースの時間になったので
試しに内閣の寿命を計算してみると

今年か来年に終わると表示された

しかしそんな誰もが感じることを出力しても客は喜ばないだろう
何かいいものはと考え、外を見ると
いまいましい太陽が熱気を発していた

「太陽の寿命が一年だって？そんなバカな事があるかよ・・・」

クライアントが何に使うのかわからないが、あらゆるものの命数を計算してバグ取りするには時間が足りない

男はマシンを売るのを諦め、代わりに生計を立てるのは何があるか考えた

それから潰れそうな会社を計算してデイトレで荒稼ぎし、一生食うに困らない額を稼ぐと男は気がつくと一年近く立っていた

「どれどれ、今度は程度のいいガラクタでつくるとするか」
やることが無くなったので完全なマシンを作ろうと思い立ったのである

ファミコン　ドライヤー　携帯電話　アナログアンプ　ぜんまい仕掛けの時計　瓶詰めの脳　猫のしっぽ　犬の耳

どれも見た目には新しく見えている

そうして新たにマシンを作って、太陽寿命を計算すると寿命がゼロと表示された
「なんだ故障か・・・」
何分たっても異変が怒らないのでほっとすると八分たち、
太陽爆発による高温プラズマにより地球は焼き尽くされた

「日本はウリナラ起源ある！」

百年後の東アジア共和国、第23代総統チョン・ラカンは政権支持率低下を誤魔化すために日本友愛思想共和国に対する挑発行為を繰り返した

ヨーロッパ新生帝国は経済が停滞していたので黙っていたし
南北アメリカ帝国は英語とスペイン語とポルトガル語で非難した

そのころ、国連が建設した月面基地では外宇宙からの電波をキャッチした

NTSCとPAL規格にエンコードされたアナログ動画である
「なんでこんなクラシックなエンコードをしてるんだ？まあいいや、再構成した動画を分析してみよう」
それは日本で作られた映画やアニメであった

そして宇宙から送り込まれてきたゴジラやガメラなどの特撮怪獣
目がやたら大きな人型生命体

日本の城やタワーを破壊し始める怪獣に防衛行動を取る国防部隊
「ダメです！陽子メーザーやプラズマ砲で焦げ一つすら作れません！なんて頑丈な構造だ！」
核は放棄したので攻撃力のある兵器は打ち止めである

日本が苦戦しているのを見て東アジア共和国は軍隊を動かした
しかし怪獣の放射火炎や体当たりで全滅判定である

怪獣は城を破壊すると東京に向かった
古式ゆかしいフライングソーサーや葉巻型宇宙船が東京に降りてくると
宇宙人たちは日本語でわめきちらした
「どうして東京タワーが無いんだよ！国会議事堂も無いじゃないか！」
ゴジラやモスラに似た怪獣は所在なさ気にしている

「いったいあなた方はなんの目的で来たんですか？」

「ファーストコンタクトはこういうものだって映像から解読したのだが、君たちの流儀に合わせて外交官を派遣したのに無視するとは酷い!」

u1型宇宙人や武型宇宙人、ひろゆきちゃん型宇宙人が遺憾の意を表明した。

「おい、どうやらここは目的地じゃないようだぞ？」
宇宙人は最近の新聞を拾うとウリナラ起源を主張する半島と大陸国家こそが目的地だと判断して

大外交使節団（十万トンくらすの宇宙怪獣軍団）を率いて外交（大きな建物を出来るだけ豪快に破壊する）する為に転進して行った

西暦2111年、人類社会はさらなる複雑な様相を呈していた。
複雑な法体系、地方条例は人々を締め付けていた。

極左政権が作った、日本国民は礼儀正しくならなければならない（儒教において、韓国や中国を崇拜しなんでも言う事を聞く）という法律により

半植民地となった、しかし数十年に及ぶ経済的搾取は治安を悪化させ
ネトウヨは自分の部屋から飛び出て自由への戦いを選んだ。

買い物はすべて電子マネーで行われており、政府が反乱分子認定すると
即座に経済活動がストップする。

二酸化炭素削減の為にそこかしこにムクゲや孟宗竹が植えられており食べられる野草は絶滅してしまった。

車のエンジンを掛けるのさえGPSや監視衛星などのセキュリティが掛けられており反乱分子は文明の利器を頼ることは叶わなかった。

しかし、生物学者であり電子工学の権威　ドクター中鉢　は
生体電磁波・生体赤外線を実用化し脳のニューラルネットワークをナノマシンにより生体コンピューターとして使う事に成功した。

電子世界：
円卓には十二人のSAMURAI（ウィザード級を超えるハカー、電子的痕跡をひとつも残さずに回線を途絶するのはまさに居合い切りを彷彿とさせる）が正座し、茶を飲んでいる。
「今回の任務は軍事ネットに侵入し政府の輸送計画に介入する、そうすれば我々”正気の人々”も特亜人民軍と渡り合える兵器を手に入れられるだろう」
「なるほど、ついに我々もKATANAを手に入れるのですな」
日本に居た良識的な人間は強権的な電子独裁政府をソフト・ハード両面から粉砕し再構成する為に今日も作戦を立てていた

現実世界：
代々木公園のベンチで汚らしい服装でくっちゃくっちゃガムを噛みながら秘密通話しているが
傍目には人生の落伍者　社会の底辺にしか見えないのだ
ケツを掻きながら屁をこいている