“子どもの尿に放射性物質”
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“子どもの尿に放射性物質”

6月30日 23時5分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

福島市の小学生から高校生までの10人の尿から放射性物質が検出されたとして、福島県の市民団体が、30日、東京で記者会見を開き「国や県の責任で、福島の子どもたちを対象に内部被ばくの検査を早急に行うべきだ」と訴えました。一方、放射線影響研究所の長瀧重信元理事長は「この量で健康被害があったという報告はこれまでにない。過度に心配せず、ふだんどおりの生活をしてほしい」と話しています。

市民団体「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」などは、5月下旬、募集に応じた福島市に住む小学生から高校生10人の尿を、フランスの研究機関に送り、分析を依頼しました。その結果、8歳の女の子から、1リットル当たりにして、セシウム137が1.19ベクレル、セシウム134が1.13ベクレルなど、全員から放射性セシウムが検出されたということです。いずれも放射線が半分になる期間がおよそ2年のセシウム134が含まれていたことから、東京電力福島第一原子力発電所から放出された放射性物質を体内に取り込んだものとみられています。この結果について、ネットワークは、30日、東京で記者会見を開き「原発から60キロ離れた福島市内の子どもでも内部被ばくをしている実態が明らかになった。国や県の責任で、福島の子どもたちを対象に内部被ばくの検査を早急に行うべきだ」と訴えました。一方、放射線影響研究所の長瀧重信元理事長は「この量で健康被害があったという報告は、これまでにない。過度に心配せず、ふだんどおりの生活をしてほしい」と話しています。財団法人高度情報科学技術研究機構によりますと、大気中の核実験の影響を調べるために昭和30年代後半に行われた、日本人の中学生の尿の分析で、セシウム137は、昭和39年におよそ4.5ベクレルと、今回の3倍以上の濃度だったということです。