韓国軍:海兵隊乱射事件、動機はいじめか(下)

 海兵隊司令部の関係者によると、A上等兵は同日午前10時ごろ、状況室に保管されていた小銃と弾薬を持ち出したとみられる。この時点で銃、実弾、手投げ弾に管理上の問題があったとみられる。事件が起きた部隊は、江華島の海岸警備を主に担当し、通常は約30人が勤務している。事件当時、内務班には約10人がいたとされる。事件直後は死者数が3人だったが、パク上等兵が搬送先の国軍首都病院で死亡したため、結局4人が犠牲となった。

 遺体は憲兵隊による現場検証を終えた後、同日午後に首都病院に移送され、負傷したクォン二等兵も同病院に搬送された。クォン二等兵はA上等兵が銃を乱射した際、銃をつかみ、A上等兵を室外に押し出し、部屋に鍵をかけた。その過程で右大腿部の内側と外側に銃弾計2発を受けた。軍消息筋は「クォン二等兵が身を挺(てい)してA上等兵を制止したため、犠牲者を最低限に抑えることができた」との見方を示した。

犯行動機

 軍当局はA上等兵が部隊内でいじめを受けるなどしており、その恨みから、犯行に及んだ可能性が高いとみている。A上等兵は昨年7月に入隊し、配属変更まで約9カ月を残していた。軍消息筋は「これまでの調べで、A上等兵が後から入隊した兵士に無視されたことが事件の一因とみられることが分かった」と語った。軍当局が兵士らから事情を聴いた結果、A上等兵は後から入ったクォン一等兵に対し、劣等感を抱いていたとの証言が得られた。また、A上等兵は入隊して以降、小隊長と数回にわたり面談するなど、軍の生活に適応できず悩んでいたという。

 韓国軍では先月、海兵隊司令部を母体として、西北島しょ防衛司令部が発足するなど、海兵隊の地位が高まっている。こうした中で今回の乱射事件が発生したことから、特別な対策を求める声も出ている。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者

江華=カン・ドンチョル記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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