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2011年07月04日 00:07

放射性物質で汚れた汚泥(1)

放射性物質を含む汚泥を肥料に利用してもよいという農林水産省の方針が全国に波紋を呼んでいる。

そのことについても書きたいことは山ほどあるわけだが、今回は6月16日に政府の原子力災害対策本部が示した「放射性物質が検出された上下水処理等副次産物の当面の取扱いに関する考え方」という新たな基準について少し書かせて頂く。
ここで、「上下水処理等副次産物」などというわかりづらい言葉を使っているが、簡単に言ってしまえば上下水処理から出て来る「汚泥(ヘドロ)」のことである。

5月1日に福島県内の浄化センターで処理した下水汚泥と、汚泥を焼却して乾燥させた溶融スラグから高濃度の放射性物質が検出されて以来、東日本各地で汚泥から高濃度の放射性物質が検出され、各地の自治体がその処分に困っていた。

そこで、原子力災害対策本部は「放射性物質が検出された上下水処理等副次産物の当面の取扱いに関する考え方」を定めた。この考え方によれば次のように定められている。

  • 汚泥や焼却灰1キロあたりの放射性セシウムが8千ベクレル以下の場合
    • 防水対策をし、居住地や農地に使わなけれぱ埋め立て処分できる。
       
  • 8千ベクレルを超え、10万ベクレル以下の場合
    • 住民の年間放射線量が10マイクロシーベルト以下になるよう対策を取れぱ埋め立て処分できる。
       
  • 10万ベクレルを超える場合
    • 遮蔽できる施設で保管することが望ましい。
       

なお、埋立処分場と周囲の住宅地の距離については、下表のように定められている。

Cs-134及びCs-137の合計 敷地境界からの距離の目安
10万 Bq/kg 以下 70m
 7万 Bq/kg 以下 50m
 6万 Bq/kg 以下 40m
 4万 Bq/kg 以下 20m
 2万 Bq/kg 以下  6m
 8千 Bq/kg 以下 制限なし

放射性セシウム(Cs)は、Cs-134とCs-137の合計値である。

汚泥から水分を取り除いた「脱水汚泥」、脱水汚泥を焼却した「汚泥焼却灰」、汚泥焼却灰を固めた「スラグ」というように形を変えていく。
脱水汚泥よりも汚泥焼却灰の方が放射性物質濃度は高くなる(東京都下水道局 注意書き)。

さて、今までに公表されている関東1都6県、及び福島県、宮城県、新潟県の下水汚泥の放射性物質濃度を図に表したものが下図である。
採取日は考慮せず、各都県でどれだけの放射性セシウム濃度の「脱水汚泥」が出ているかだけに着目している(「脱水汚泥」だということに注意)。

図中黒丸が、各自治体で検出された脱水汚泥の放射性セシウム濃度の分布となる。
原発事故が起きている福島県は非常に大きな値も出ており、図の中に入りきれない状態になっている。
皆様のお住まいの自治体の分布はいかがであろうか?

脱水汚泥の放射性濃度

ところで1点だけ真っ赤に燃えるやや大きめの点(赤点)があるが、これは、実は下水汚泥の値ではない。

下水処理場には、流域に降った雨で運ばれた放射性物質が貯まるため、放射性物質濃度が高くなる傾向にあるのだが、福島県のデータを除くと、最も高い濃度を示しているのがこの赤い点である。
この赤い点は何の汚泥だか、みなさんにはおわかりになるだろうか?

(続く)

【参考】



posted by 古性隆 at 2011年07月04日 00:07 | Comment(3) | 原発問題
この記事へのコメント
下水汚泥でないとすると池の底泥?
どこの自治体なのかも知りたい。
どうやら話の流れからすると福島県以外だな。
「続き」を期待
Posted by at 2011年07月04日 12:58
汚泥焼却灰やスラグではなくて脱水汚泥にこだわったことにヒントが隠れているように思えます。底にたまったヘドロをかき集めて貯めたもの池や沼のヘドロ・・・・・、もしかしてプールですか?プールの底にたまっていたヘドロのことですか?古性さんも以前ブログでプール清掃は子供にやらせてはいけないと書いていましたよね。娘と息子が通う小学校はプールが始まっています。高学年の児童が例年プール清掃をしていて今年も行ったと聞きます。私の勝手な想像を書いてしまいましたが、もしもプールのヘドロだったら・・・・・・・・・掃除をしてくれた子供たちが心配です。
Posted by 母親の会 at 2011年07月04日 15:42
続きはどうなった?
Posted by at 2011年07月05日 08:11
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