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2011年07月05日 08:50

放射性物質で汚れた汚泥(2)

昨日の続き。
その前に皆さんから寄せられた声に基づき、昨日公表した図を修正した。
どこの都県なのか明確にしないと、今後の対応にも影響を及ぼしかねないと、多くの方々から御意見を頂いた。
そこで都県名がわかるように再プロットした(放射性物質濃度の値はもちろん変更は無い)。
赤点の位置が「茨城県」のところに変わっていることをまずご確認頂きたい。

放射性物質で汚染された汚泥

国民及び県民、市民の生命及び健康を考えたとき、このデータを見て、国や各都県がどのように動くかに注目したい。
マスコミが動くかも注目したい。
もちろん、各市町村の首長が市町村民の命・健康を守るためにどのように動き出すかも注目したい。
このデータが出た市町村は、「うちだ!」と既にわかっていることだろう。

さて、赤い点は・・・驚かないで頂きたいのだが、・・・
実は小学校のプールの底に貯まったヘドロ(汚泥)の放射性セシウム濃度(検査値)である。

茨城県内の市町村から17,020Bq/kg以上の放射性セシウムが検出されたのである(Cs-134とCs-137の合計値)。

私は、5月23日のブログや、5月27日のブログで学校のプールの清掃は子供たちに行わせるべきでないと訴えた。
プールの水と汚泥は、原発事故当初からずっと貯まっているものなので、素人でも少し考えれば危険かもしれないと簡単に理解できるものである。
中部大学の武田邦彦教授も再三危険だと言うことを繰り返していらっしゃった。
マスコミでも取り上げられていたと記憶する。

このように情報が多方面で流れていたにもかかわらず、お構いなしに子供たちにプール清掃をさせてしまった自治体があることに非常にショックを受けている。
大したことないだろうと軽い気持ちで清掃を行わせてしまったのだろう。。。
危機意識の欠如以外のなにものでもない。
これから子供たちの健康診断をきちんと行ってみないと、どれだけこのプール清掃で影響が出たかは明らかにならないが、たとえわずかでも内部被曝が認められれば、「人災」である。
しかも「命」や「健康」について教育している現場で、そのようなことが起きたことが大きな問題である。
原発事故は恐ろしい。原発から離れた地でも、このように人災が発生するのだ。
上に立つ者の意識・知識によって人災が引き起こされる。
子供たちは大人の言うとおりにせざるを得ない。
大人がプール清掃をしろと言えばそれに従わざるを得ない。

普通なら子供たちに清掃させる前にプールの貯まり水の放射線量を測定し、更に底に貯まったヘドロ(汚泥)の放射性物質濃度の検査を行い、安全を確認するはずである。
プールの貯まり水の放射線量を測定したり、採水している場面が何度かテレビでも流れていた。そういうことをきちんとしているところもあるのだ。

そういう検査をせずに子供たちに清掃をさせてしまった。
それで蓋を開けてみたら17,020Bq/kgの放射性セシウムの検出だ。

学校では、「命」を大切にしないといけない、「健康」に注意しながら生活しないといけないと教育する。
その学校、・・・いや、学校を取り仕切る教育委員会が子供たちの命・健康をどれだけ考えているかということだ。

「国から指示がなかった」、「県から指示がなかった」「まさかそんなに高濃度の放射性物質が含まれているとは予想もしていなかった。想定外だ。」などと言い訳するだろうが、いつまでそういう言い訳ばかりしているのだと言いたい。

市民のことを考えている自治体は率先して、様々な行動を既に起こしている。
国や県の指示など待っていない。
自分たちでどんどん考えている。
いい加減目を覚ませと言いたい。

地位を守るため、組織を守るため、・・・そういうくだらないことを考えている場合ではなく、一番に考えないといけないのは子供たちの命や健康である。
なぜそこがわからないのか!!!


子供はプール掃除でヘドロまみれになり、ヘドロの運搬も子供が行ったと聞く。

一方、教育委員会はそのプールにはヘドロはなかったと説明しているらしい。
あったとしても「汚泥(オデイ)」ではなく「泥(デイ)」だというバカげた説明をしているとのこと。

子供は正直なので、学校で何があったかは包み隠さず話をする。
全て筒抜けになっている。
こういう教育界の矛盾を見て子供たちは育っている。
そういうことでよいのだろうか???


更に困ったことに、子供たちが運搬し貯まっていたヘドロは、・・・半分程度処分されてしまっているらしい。
7月4日のブログを見直して頂きたいが、8,000Bq/kgを超えたら、埋立のための検討が必要になる。
住民の年間放射線量が10マイクロシーベルト以下になるような対策を取らなければ、埋め立て処分はできないのである。
このヘドロは簡単にポイと埋め立てることなどできないものなのである。
なぜそれがわからないのだろう???
どこへ消えてしまったのか???

責任問題も当然今後出て来るだろうが、まず第一は子供たちの健康である。
プール清掃をさせてしまった子供たちの健康診断は、命や健康を大切にと教育している教育委員会なのだから、必ずや行うはずだと私は見ている。
万が一にも行わないときには、保護者が黙っていないだろう。


追伸、いま入った情報では、上に書いた市教育委員会で別の問題もあるとのこと。
なんと、中学校のプールの汚泥水のデータもおかしいらしい。
市が公表した資料では検査が行われていないという表示になっていたものの、何と実際は検査が行われ、しかも放射性セシウムが検出されていたとのこと。
放射性セシウムの合計値(Cs-134とCs-137)が1,000Bq/kg程度であった。
しかし、このデータを公表しなかった。

なぜ、検査を実施していないと市民に流したのか???
どうかしている・・・。なぜ事実をありのままに知らせることができないのだろうか???

今、大事なことはありのままをきちんと公表することだ。
日本国民は、福島原発事故が起き、放射性物質の影響を多かれ少なかれ受け、土地が汚れていると言うことを理解している。

放射線量が高かったり、放射性物質濃度が高かったりして、それをそのまま公表すると市民がパニックになると考え公表を控えてはいけないのである。
市民を守るという立場にある行政は、あくまで正直にデータを公表することが必要だ。

風評被害が発生するから公表を控えるなどと言う考えも捨て去るべきだ。
そもそも実際に起きていることであって風評ではないのである。


一番大事なのは国民の命と健康だ。特に子供の命と健康だ。


追伸、学校のプール水はどこに放流されているのだろうか?
農業用用水路を通っていればそれはそれでまた別の問題も生じる。
それが危険だということで、プール水を放流しないところもあるとテレビのニュースで以前流れていた。



posted by 古性隆 at 2011年07月05日 08:50 | Comment(0) | 原発問題
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