被災地復興をめぐる発言で、真意を問われ釈明、陳謝する松本龍復興担当相=4日午後、東京都港区(撮影・荻窪佳)【フォト】
松本氏の3日の“上から目線”の発言は、大きな波紋を呼んだ。
岩手県の達増拓也知事(47)と会談した際、「(私は)九州の人間だから、東北の何市がどこの県か分からない」「あれが欲しいこれが欲しいはだめだぞ、知恵を出せということだ。知恵を出したところは助けるけど、出さないやつは助けない」などと発言。
宮城県の村井嘉浩知事(50)との会談では、松本氏が応接室で数分待たされたことで、村井知事との握手を拒否。「漁港を集約するのは県で意見集約をちゃんとやれ。やらなかったらこっちも何もしない」と語気を荒らげ、「お客さんが来るときは、自分が(部屋に)入ってから呼べ。自衛隊上がりで言われんでも分かっているだろう」と言い放った。
さらに報道各社に「今の部分はオフレコな。書いた社はこれで終わりだから」と“圧力”をかけたものの、一部始終がテレビで放送され、直後から批判が殺到した。
自民党の逢沢一郎国会対策委員長(56)は「常軌を逸したひどい発言だ。事と次第によっては、菅首相に復興相の職を解いてもらわなければならない事態に発展するかもしれない」などと批判。身内の民主党も頭を抱え、岡田克也幹事長(57)は「突出した発言だ。私から注意し首相にも伝える」と平身低頭。会談後すぐに電話し「謙虚にやってくれ」と注文をつけた。
村井知事は4日の会見で「命令口調ではなく、お互いの立場を尊重した言葉遣いのほうがいいと思う」と、松本氏の発言に不快感を示した。県には「大臣の発言は許せない」「納得がいかない」など200件を超える電話やメールが届いた。
当初「釈明が必要な内容ではない」と強気だった松本氏だが、4日午後の記者会見では一転して陳謝。「知恵を…」発言などについては「これから本格的に復興に取り組むには住民の合意がいる。(地元自治体は)しっかり知恵を出し合ってやってほしいということだった」と釈明した。
松本氏は神妙な表情も見せ、「博多の人間だから語気が荒かったりしたとは思う」「私はちょっとB型(血液型)で短絡的なところがあって、本意が伝わらない部分がある。さっき女房からも電話があった。反省しなければと思います」と、またも問題視されそうな釈明。それでも「このまままっすぐ前を向いて復興に当たっていく」と述べ、辞任を否定した。
(紙面から)