東日本大震災で被災した岩手県釜石市は、地域の消防団員が元の自宅近くなどにある仮設住宅に入居を希望した場合、優先的に入居させる制度の運用を始めた。元の自宅から離れてしまうと担当エリアの火災や救助などへの出動が遅れる懸念があるためで、地元消防署の要請に応えた。
市などによると、入居者が決まっていない約1500戸の仮設住宅について6月下旬から実施している。釜石消防署管内は震災で14人の消防団員が死亡・行方不明となったほか、市内にある8分団(団員約650人)の一部は担当地区の7割超が被災。元の自宅から離れた仮設住宅に入居し、居住場所が分からなくなった団員もいるという。
毎日新聞が岩手県の沿岸12市町村に問い合わせたところ、消防団員の配置を考慮して仮設住宅の入居を決めているのは釜石市のみ。【狩野智彦】
毎日新聞 2011年7月5日 2時32分(最終更新 7月5日 3時53分)