2011年5月9日 22時18分 更新:5月9日 23時35分
栃木県鹿沼市で登校中の小学生6人がクレーン車にはねられ死亡した事故で、宇都宮地検は9日、同県日光市大沢町、無職、柴田将人容疑者(26)を自動車運転過失致死の罪で起訴した。地検は柴田被告が運転中にてんかんの発作を起こしたとし、08年に起こした別の事故もてんかんが原因と断定。この事故は当時「眠気」が原因と認定され、高瀬一嘉次席検事は「てんかんの捜査をしていれば今回の事故が起きなかった可能性がある。残念だ」とコメントした。
起訴状などによると、柴田被告はてんかんの持病があり、医師に運転しないよう指導されていたのに、4月18日午前7時45分ごろ、同市樅山町の国道293号でクレーン車を運転。てんかん発作で意識を失い対向車線にはみ出し、登校中の市立北押原小4~6年の児童6人をはね、死亡させたとしている。
また地検は、柴田被告が08年4月に当時小学5年の男児をはねた事故も再捜査の結果、てんかんが原因と断定した。当時、柴田被告は執行猶予付き有罪判決を受けたが、原因は「眠気」とされていた。
起訴を受け、警察庁は9日、意識障害などを起こす病気にかかっている運転免許申請者に正確な病気の申告を促すよう、都道府県警に通達した。柴田被告が免許の取得・更新時に申告していなかったことを踏まえた。【岩壁峻、鮎川耕史】