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小沢征爾氏:ジュネーブで復活公演、村上春樹氏ら拍手 「だんだん戻る」と意欲

 【ジュネーブ伊藤智永】指揮者の小沢征爾氏(75)が3日夜、ジュネーブで今年1月の手術入院後、初の復活公演を行った。会場には作家の村上春樹氏ら約1500人の聴衆が詰めかけ、熱い拍手で復帰を祝った。

 小沢氏は終演後、毎日新聞の取材に「今日の出来はまあまあかな。まだまだこんなもんじゃないという感じはある。これでだんだん戻っていきますから」と意欲を語った。

 小沢氏は6年前から同市で毎夏、各国の有望な若手弦楽奏者を集めて自ら育成する「スイス国際音楽アカデミー」を主宰。最終日に特別公演を行っている。食道がん手術を受けた昨年は欠席したが、今年の腰のヘルニア手術は予後も良好で、同校の夏合宿を復活の初舞台と決め、先月25日から同市郊外で、ビオラ奏者の今井信子さんらと若手を特訓してきた。

 公演は、生徒らが弦楽四重奏曲などを披露した最後に小沢氏が登場。用意された椅子に見向きもせず、モーツァルト「ディベルティメント・ニ長調」を約10分間指揮。終わると、思わずガッツポーズが出た。会場の拍手に促されたアンコールは、十八番のチャイコフスキー「弦楽セレナーデ・ハ長調」第1楽章。今度は身ぶりも大きく、両足も何度か踏みしめる熱演で、聴衆は総立ちで歓声を送った。

 小沢氏は6日に同校のパリ公演を行った後、8月には長野県松本市の「サイトウ・キネン・フェスティバル」で国内復活の初演を予定している。

毎日新聞 2011年7月4日 東京夕刊

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