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好評の最新号

≪今週の書評  ≪風来・読書人日誌

2011年 6月17日号

<今週の特集>

トップ・1-2面
◇柄谷行人氏ロングインタビュー<反原発デモが日本を変える>
   東日本大震災直後に起こった福島第一原発の事故を契機に―

 ※からたに・こうじん氏=批評家。著書に『定本柄谷行人集』『世界史の構造』など。
 ※本紙バックナンバー=2010年8月20号/
    対談:柄谷行人氏、苅部直氏/『世界史の構造』(岩波書店)の刊行を機に—
<今週の読物>
■1面
 ◆連載=連載=離島航路<最終回>/百々 武「宮城県 寒風沢島 2011年」
   ※百々武氏の「連載を終えて」を7面に掲載。(どど・たけし氏=写真家)

■3面
◆『西洋古典叢書2011』(全7冊・京都大学学術出版会)刊行開始を機に―
 ◎叢書の意義について―/田中秀夫/21世紀の知的インフラ構築を目指す(たなか・ひでお氏=京都大学教授。京都大学学術出版会理事)
  南川高志/古代の生を伝える新しい「西洋古典」 (みなみかわ・たかし氏=京都大学教授。編集委員)  
 ◎本シリーズ刊行当初を振り返って―/鈴木哲也/「本物」を待つ人々に―あるいは「ビジネスとしての」西洋古典叢書 (すずき・てつや氏=京都大学学術出版会専務理事)

■5面
◆新刊紹介=森朝男・古橋信孝著『残したい日本語』(青灯社刊行)

■7面
◆「離島航路」連載を終えて/百々 武  
―2010年8月27日号・第1回 鹿児島県・屋久島より今週・最終回 宮城県・寒風沢島まで。(どど・たけし氏=写真家)
◆連載=絵画の向こう側 ぼくの内側<第8回>/横尾忠則
「自画像―自己の神話化?自伝的なヒトコマ?」 (よこお・ただのり氏=美術家)
◆連載=銀座を変えた雑誌Hanako!<第5回>/椎根 和(しいね・やまと氏=元ハナコ誌編集長。編集者)
◆連載=読写(どくしゃ)!一枚の写真から<第3回>/岩尾光代「大正四年四月五日の飛行機事故現場の写真(いわお・みつよ氏=ジャーナリスト)  
◆フォト&アート/ウンベルト・エーコ編著、川野美也子訳 『芸術の蒐集』(東洋書林刊行)

■8面
◆連載=活字シアター<第408回>  
   ◎上州文化の育成に貢献した書店「煥乎堂」の巻<第42回>
◆連載=元気に、出版。出版、元気に。
   森 彰英「唯一の活字専門メディアとしてこの正念場をしのぐ雑誌『相撲』(上)」
   ※『相撲』(ベースボール・マガジン社刊行)(もり・あきひで氏=フリーライター)
◆出版メモ=社団法人全国出版協会・出版科学研究所から刊行
『出版指標年報 2011年版』―業界人必携、出版界がわかるデータブック
◆募集してます=第20回やまなし文学賞作品募集/詳細:本紙8面に掲載

◆催しもの=ブックハウス神保町
  <6月のイベント>ブックハウスギャラリー/おはなし会・イベント―6月19日/第8回英語絵本リードアラウド・要予約、テキスト代/処:東京・神田神保町/問い合わせ:℡.03-3261-5691

<お知らせ>
 「週刊読書人」主催 佐野眞一氏 公開トーク&インタビュー
  ―『津波と原発―ルポ・東日本大震災』(講談社)刊行記念
       /聴き手:植田康夫(本紙・編集参与)
       /日時:6月21日18時~20時(開場:17時45分)
       /会場:東京堂書店神田本店6F会議室(東京・千代田区神田神保町)
       /参加費:500円/要予約
       /予約・問い合わせ:週刊読書人・℡.03-3260-5791、
        fax.03-3260-5507、メールアドレス:dokushojin@an. wakwak .com
  ※終了後、東京堂書店で本を購入された方には著者のサインがいただけます。
       
<今週の書評>
■4面<学術・思想>
◆著:小野寺史郎『国旗・国歌・国慶―ナショナリズムとシンボルの中国近代史』(東京大学出版会)/評:関 智英(東京大学大学院博士課程)
◆著:福島 勲『バタイユと文学空間』(水声社)/評:濱野耕一郎(青山学院大学准教授)
◆著:ハリー・ハルトゥーニアン『歴史の不穏―近代、文化的実践、日常生活という問題』(こぶし書房)/評:長谷川亮一(東邦大学非常勤講師)
◆著:佐々木 中『足ふみ留めて―アナレクタ 1』(河出書房新社)/評:栗原裕一郎(評論家)

■5面<文学・芸術>
◆著:小谷野 敦『久米正雄伝―微苦笑の人』(中央公論新社)/評:関口安義(文芸評論家、都留文科大学名誉教授)
◆著:ジェイ・ルービン『風俗壊乱―明治国家と文芸の検閲』(世織書房)/評:佐藤 泉(青山学院大学教授)
◆著:梨木香歩『僕は、そして僕たちはどう生きるか』(理論社)/評:東 直子(歌人・作家)

■6面<読物・文化>
◆ウィキリークス関連書を読む―
 著:ダニエル・ドムシャイト・ベルク『ウィキリークスの内幕』(文藝春秋)
 著:「ガーディアン」特命取材チーム、デヴィッド・リー、ルーク・ハーディング『ウィキリークス アサンジの戦争』(講談社)
 著:マルセル・ローゼンバッハ、ホルガー・シュタルク『全貌ウィキリークス』(早川書房)
 著:上杉 隆『ウィキリークス以後の日本―自由報道協会(仮)とメディア革命』(光文社)/評:水口義朗(文芸評論家)

◆著:今道友信『教えるこころ―新しい時代の教育への提言』(女子パウロ会)/評:笹川隆司(玉川大学教授)
◆著:坂東眞理子・上野千鶴子『女は後半からがおもしろい』(潮出版社)/評:千田有紀(武蔵大学教授)

<次週予告>
◎6月24日号=「福島からツイッターで詩を発信する 詩人・和合亮一氏インタビュー」
                      (10頁・特価280円)
    
     ※本紙の号数と発売日は同日です。(2010年5月より)
風来

hurai_hyoshi.jpg 前号で紹介した内橋克人氏の『日本の原発、どこで間違えたのか』(朝日新聞出版)の最終章<なぜ原発を作り続けるのか、電力会社の「利益」と「体質」>には、「『安い原発』の発電コストを解明する」という節がある
▼この節では、本書が『原発への警鐘』という題名で刊行された30年前、アメリカのあちこちの州議会で、州内に抱えた原子力発電所の廃炉のための費用を誰が、どんなやり方で負担するのか、住民も加えた特別委員会で議論されたことが報告されている
▼この時、電力会社は廃炉のための費用が原発の建設に要した費用の2〜3倍になるだろうと発表し、その費用の半分を電力料金で回収したいと要求した。これに対し、地域住民が「廃炉のために必要となる費用も用意しないで、原発をつくったのか!?」と抗議した
▼そのことを報告しながら、内橋氏はこの「原発未来図」が「わが国について描かれる日はそう遠いことではないだろう」と述べ、「原発のライフサイクルにとって、最重要の柱と考えられるコストをコストとして算入もせず、『原発の発電コストは安い、安い』の神話が、とりわけわが国において強く、広くばらまかれた」と指摘している
▼そして、新聞が資源エネルギー庁による計算式、計算根拠が伏せられたままの『電源別発電原価について』という資料に基き、「(1)原子力十二円、(2)石炭火力十五円、(3)LNG火力十九円、(4)石油火力二十円、(5)一般水力二十円。原子力が断然安い」などと書き、神話作りに加担したという事実を伝えている
▼この神話の欺瞞性は、3・11以後の状況が明かしている。

読書人日誌(今週はお休みしました)
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