pelikan M101Nを引き取りにご来店くださった方から思いがけない贈り物をいただいた。
「これ懐かしくないですか。森山さんが居た頃のMONTBLANCのものですよね。」と、それは印刷物だった。
私がMONTBLANC 日本総代理店 ダイヤ産業(株)に入社したのは、1977年。
いただいた印刷物はダイヤ産業(株)が総代理店になる前のものであろう。
日本総代理店の名が無く、まだ正式な会社が無かった時代のものだと思われる。
表にはMONTBLANCのロゴ、60年代2桁番号の製品一覧表、No,149ディプロマット、No,042Gモンテローザ、更に修理データが印刷されている。
裏には使用説明書、保証登録カード。
24cm×13,9cmの大きさで。
私が大好きな1960年の所謂2桁の製品番号のものや、No,149がマスターピースやマイスターシュトックではなく、ディプロマットと表現され、更に古いモンブランとして私が初めて手に入れたNo.042Gモンテローザ。
とても懐かしく、古き佳き時代のものである。
日本と同じ敗戦国になったドイツ。
進駐軍とともにやってきた、パーカーに市場を占められていた日本の輸入筆記具に対し、ゆっくりと、しかし、しっかりと日本に根を下ろそうとする思いが表れ、心穏やかにさせられた。
私がダイヤ産業(株)に入社した頃は、No,149やNo,146は1本、1本紙に包まれ、3本から5本の単位でドイツを出国し、日本にやってきた。
現在のモンブランは世界のブランドとして取扱品目も増え、隔世の感がより私に懐かしさを憶えさせてくれたのだろうと思う。