2011年6月12日(日)
近畿米粉食品普及推進協議会の主催で毎年行われている「米粉まつり」
今回は、東日本大震災を受けて、≪米粉は災害時に何ができるか≫というテーマで開催されました。
災害時に役立つ知恵を提唱している、料理研究家の坂本廣子さんと坂本佳奈さんが
≪防災に米粉ができること≫と題して、講演と料理教室を行いました。
東日本大震災
3.11、東日本大震災が起きて痛烈に感じたことがあります。
技術が発達し、物質的にはとても便利になった生活の中で、人はその便利なモノに頼り過ぎているところがあるのだと思います。元々あったわけではないのに、今はなかった頃のことを忘れ、その便利なモノがなければ生きていけないと、錯覚している人が多くいるのだと気づきました。
極端なことを言えば、炊飯器がなければご飯を炊くこともできない、と思っている人がたくさんいるのです。炊飯器がなくてもご飯を炊く方法はいくらでもあります。
これから私たちは「ライフセービング」をモットーに、どんな時でも生き抜く力の源として、
自分のご飯を自力で作るという事を、子どもから大人までやっていかなければいけないのです。同じように、病院が全く機能しない状態の時は、自分の身は自分で守っていくという思いをもう一度持つべきだと思います。
料理研究家:坂本廣子先生
阪神淡路大震災で被災して…
阪神淡路大震災で避難所にはパンとおにぎりがほぼ毎日配られました。食べられるものがあるのはよいことですが、
栄養的にバランスの悪い状態になりました。
ミネラルのあるものを意識して取らないと、炭水化物だけでは元気に生きられません。
ミネラルの補給ができるようにしましょう。ハンディキャップのある人はもっと大変です。アレルギーを持つお子さんに配給されたものが、食べられないものであっても、それをカバーして食することができるようにしなければなりません。
節電で注目「緑のカーテン」調理に米粉を使ってひと工夫
電気が切れた時に常温で置けるものを常に備えておきましょう。
今、節電の影響で「緑のカーテン」(植物を建物の外側に生育させて建物の温度の上昇を抑える)に注目が集まっていて、ゴーヤやヘチマの苗がとても売れているそうです。他にもプチトマトやインゲン豆を高く植えると良いと思います。
≪米粉とゴーヤ≫
ゴーヤの苦味が苦手という子どもは多いと思います。そこで、米粉を使ってゴーヤの苦みを取ります。
ゴーヤに砂糖をまぶし、その後米粉をまぶす。それを炒めて調理すると苦みを感じなくなるんです。
タンパク質の卵と炒めても美味しくなります。
≪米粉とニンジン&大根≫
ニンジンのミネラルはのカラダに合った性質を持っています。スープにするとお腹を壊した時にとても吸収しやすいのです。
その時に少し米粉を混ぜてとろみをつけると、高齢者でもむせずに口にすることができます。誤飲性の肺炎を防ぐ事もできます。
ニンジンや大根は長い時間、煮込まないといけないので節電には向かないと思われがちですが、
すりおろして米粉をまぜ、お焼きや大根餅などを作れば美味しくいただけます。
米粉を普段から使用することで、いざという時にも調理に用いる事ができます。
そこで家族の命を守ることができたり、それからの暮らしを丁寧に送ることができる助けになると思います。
まさかの時ははかってくるものではありません。
「備えあれば憂い無し」
ですが、特別なものを備える必要はないんです。台所にあるものが私たちの命を救ってくれるモノになります。
自分の身の回りから、農という食べ物を生み出す所から、防災をはじめていくと良いのではと思います。
滋賀、兵庫、高知などの各地から37人の男女が参加しました。
この日紹介したメニューは、
「にがうりの中華卵焼き」「ゴーヤチャンプル」
「人参のスープ」「コーンポタージュ」
「にんじんお焼き」「ふわふわ大根もち」「にんじんホットケーキ」「ケークサレ」
≪ にがうりの中華卵焼きの作り方≫
【材料】 4人分
卵 3~4個
苦瓜 1本(130g)
A) 調味料
砂糖 大さじ1.5、塩 小さじ1/2、米粉(または片栗粉)、大さじ2、ごま油 大さじ1
B) つけタレ(酢醤油)
しょう油 小さじ1、酢 大さじ1/2
【作り方】
1. 苦瓜は縦半分に切り、ワタを取り、5㎜角程度の角切りにする。
2. 切った苦瓜にA調味料の砂糖、塩を混ぜそれから米粉を混ぜ苦味をまろやかに。
3. 2に卵を割り入れよく混ぜる。
4. フライパンを温め、ごま油を入れる。
油が温まったら卵液を入れ、固まったら外側を内側へ折りたたむ。
ある程度固まったら折りたたむのをやめ、中火で火を入れつつ
真ん中が固まってきたら表裏をひっくり返し、全体に火が通ったら完成!
5. 酢醤油につけていただきます!