【東京】仲井真弘多知事は13日、都内で記者団に対し、米上院軍事委員会のレビン委員長らが米軍普天間飛行場の嘉手納基地への統合案を提言したことについて「(嘉手納基地の)騒音など負担が減るなら(議論の)入り口になるかもしれない」との認識を示した。ただ、同日夕に那覇空港で記者団に発言の真意を問われ「現実性がよく分からないという意味。(入り口になるという発言は)取り消す」と述べた。
レビン氏らの提言では、普天間飛行場の辺野古移設を「非現実的」とした上で、嘉手納の部隊・施設の一部をグアムや本土に移設し、普天間のヘリコプター部隊を統合する見直し案が盛り込まれている。
仲井真知事は都内での取材に応じた際、機能を分散した上で騒音が減れば嘉手納統合案は有益と考えるかとの質問に「(騒音が)足し算をして減るというなら入り口になる」と述べた。同時に、「(嘉手納を使用する)空軍が母屋を取られる形になり、米側がどう整理するかだ」とした。
さらに、分散移転による負担軽減の実効性について、訓練移転を盛り込んだ2006年の米軍再編後も外来機の飛来で騒音が減っていないことを挙げ、「今までの約束は全部守られていない」と指摘。普天間、嘉手納ともに米軍機の飛行差し止め訴訟が提起されてきたことにも触れ「訴訟では国が負けている。周辺の基地被害を受ける5市町村は基地反対のベルト地帯。普通なら全然話しにならない」と述べ、実現可能性の困難さを強調した。