« インドの携帯が爆発的に増大! | トップページ | 頑張れ!!はやぶさ 地球帰還へ »

2010年6月 3日 (木)

世界の発明「カニカマ」

蒲鉾や豆腐など、食品加工のための機械を作るヤナギヤ。同社の「カニカマ(蟹風味蒲鉾)製造器」は、世界シェア70%国内シェア70%、国内シェアは90%と言うから凄い。でも、そもそもどうしてカニカマに着目したのだろう。

「カニカマ製造機の開発を始めた70年代後半は、魚肉練り製品と言えば板蒲鉾、揚げ物、ちくわ、はんぺんの4種が定番でした。それらを超える商品がない事で、業界全体に沈滞ムードが漂っていたんですけど、そんな時に広島の蒲鉾屋さんが手作業で棒状のカニカマを作ったんです。業界に衝撃が走りましたね。当時は蟹は大変な高級食材。それを安く味わえるのですから」

と、社長の柳屋芳雄さん。庶民には高嶺の花だった蟹を、身近にしたのがカニカマ。それをヤナギヤが大量生産出来るようにしたというわけだ。でも、当然のことながら、素材の魚が簡単に蟹に変身出来るわけではない。特に難しかったのは、蟹特有の”ほぐれ感”だったという。

「蟹の繊維は、1本1本ずつ裂けるようにほぐれるでしょう。その再現性が難しかった。最初は、すり身をシート状にし、1ミリ幅でカットして束ねてみたのですが、口に入れたとき一気にバラバラになった。それで全部を切り離さず、すり身シートがほんの少しくっついたまま束ねたら(写真2)いい具合にほぐれたのですよ」

ヤナギヤの合い言葉は”より本物に近づける”。その為に蟹らしい紅色の着色にもこだわった。「自然な色を付けるのが、また大変でしてね。スプレーで吹き付けたり、刷毛で塗ったりしましたがどうも蟹らしくない。蟹の殻を剥いた時の、微妙な色むらが出ないんですね。結局、天然の紅い着色料をつけたフィルムを、すり身シートに巻いて加熱し、色を転写させる事にしました」

魚のすりみ状態からシート状にして着色までこなす、カニカマ製造機が出来たのは79年の事。

同社では、新しいカニカマ製造機を現在も開発しているという。

「いちばんスタンダードなカニカマは、繊維がまっすぐ束ねられていますが、新しいタイプはより蟹らしく進化しています。リアルな食感を出すために、繊維が斜めに絡み合っていて、色もまだらに紅くすることができるんです」

現在、日本のカニカマ消費量は年間5万トンだが、海外では50万トンを超える。蟹を食べる習慣があまりない海外で、なぜそんなにふきゅうしたのか?

「逆にそれが良かったんです。日本の料理店でカニカマを出すと「ニセモノか」となりますよね。でも、海外では火を通す必要もないし、水洗いも不要だからすぐに料理に使えるという、手軽さがウケた。鮮やかな紅色でサラダの彩りが良くなる事も好評でした。僕がイタリアで海鮮パスタを食べたら、5軒中3軒はカニカマが入っていましたよ。因みに、海外では『SURIMI(すり身)』の名前で呼ばれてます」

「通販生活」 2010夏号から引用

|
|

« インドの携帯が爆発的に増大! | トップページ | 頑張れ!!はやぶさ 地球帰還へ »

グルメ・クッキング」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1215061/35020637

この記事へのトラックバック一覧です: 世界の発明「カニカマ」:

« インドの携帯が爆発的に増大! | トップページ | 頑張れ!!はやぶさ 地球帰還へ »