被災地を訪れ、頑張っている女性ボランティアを欲望のままに襲う。加害者自身も、1度は避難所生活を送っていた。
強姦致傷の疑いで気仙沼署に逮捕されたのは、気仙沼市の会社員、長田和彦容疑者(38)。「知らない」と容疑を否認しているという。
逮捕容疑は3日未明、ボランティアに来ていた川崎市の30代の自営業女性が寝ていたところ、体を触った上、頭を殴ったりカッターナイフのようなもので切りつけたりして軽傷を負わせ、乱暴しようとした疑い。
同署によると、長田容疑者は震災後、一時この避難所に身を寄せていた。女性は避難所に滞在しており、同容疑者と面識があったという。事件当時、周囲には数人の女性が寝ていたが、被害者の叫び声を聞くまで気付かなかったという。
長田容疑者は女性を切り付けた後、避難所から逃げたが、近くで寝ていた別のボランティアが目撃していたという。
東日本大震災で壊滅的な被害を受けた気仙沼市では、震災発生から3カ月以上が経過した1日現在も、計50施設で2266人が避難生活を送っている。ライフラインは一応は復旧し、応急仮設住宅も合計2396戸が建設予定(建設済み含む)だが、まだ満足な生活を営むにはほど遠い。
そんな中で起きた、言語道断の犯罪。ボランティアの善意を踏みにじる許せない行為だ。
(紙面から)