「ひたすら祖国北朝鮮のため」　ベンツ不正輸出容疑者

　北朝鮮に中古のメルセデス・ベンツ３台が不正輸出された事件で、外為法違反（無承認輸出）容疑で逮捕された朝鮮籍の安田成基容疑者（７１）が警視庁の調べに「祖国の利益のためにやった」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。不正輸出は朝鮮労働党の直轄機関の指示といい、同庁公安部は、安田容疑者が北朝鮮向けにしてきた物資調達などの実態解明を進める。

　捜査関係者によると、安田容疑者は調べに「北朝鮮人民のために尽力したいという気持ちで、輸出を引き受けた」と供述。ベンツ３台の輸出で利益は１０万円程度しか出なかったが「私の利益など頭になく、ひたすら祖国のためにという思いで指示通りやった」と話しているという。

　押収した安田容疑者の手帳からは「偉大なる首領様」といった、北朝鮮指導部への忠誠を誓う書き込みも多数見つかったという。