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2011年7月4日3時8分

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太平洋に大量のレアアース 海底の泥に存在、採取容易

写真:レアアースを含む海底から採取した泥の試料(奥の皿は乾燥させた泥)拡大レアアースを含む海底から採取した泥の試料(奥の皿は乾燥させた泥)

図:レアアースを多く含む泥の分布(試料の分析での判明分)拡大レアアースを多く含む泥の分布(試料の分析での判明分)

 ハイテク製品に欠かせないレアアース(希土類)が太平洋の広い範囲で海底の泥の中に大量に存在すると、東京大などの研究チームが発表した。採取や精錬しやすい形で存在しているとみられ、レアアース問題の解決につながると期待される。4日の英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス(電子版)に掲載される。

 東大の加藤泰浩准教授(地球資源学)らによると、レアアースが多く存在すると見られるのはハワイ付近と仏領タヒチ付近の計約1100万平方キロを中心とする広い海域。水深3500〜6千メートルの海底に積もった厚さ2〜70メートルの泥に含まれていた。主に公海だが、日本の排他的経済水域(EEZ)にも存在する可能性があるとみている。

 推定埋蔵量はこれまで知られている陸地の埋蔵量約1億1千万トンの800倍の900億トンとみられ、2キロ四方の埋蔵量で日本の年間需要約3万トンを満たす計算。技術的には、海底の泥を吸い上げるだけで採取でき、陸地の鉱床のような放射性元素をほとんど含まず、利用に適するという。海底で、開発が有望なレアアースの存在が確認されたのは初めて。

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