地上デジタル放送(ISDB-T)放送波中継SFN用回り込み波キャンセル技術
地上デジタル放送方式であるISDB-Tは、マルチパス妨害に強く、SFN(Single Frequency Network:単一周波数ネットワーク)が構築できるOFDMを採用しています。
SFNによるネットワークを放送波中継により構築する場合、親局と中継局が同じ周波数を用いているため、アンテナから放射された電波が受信アンテナへ回り込み、信号の劣化や発振等を引き起こす恐れがあります。NHKでは、この回り込みを電気的に打ち消す「回り込みキャンセラー」の研究を行っています。
地上デジタル放送用に適した放送波中継用回り込みキャンセラーには、以下の要件を満たす必要があります。
・ | サービスエリア内で中継波のシンボル間干渉を防ぐため、中継に要する処理遅延が短い直接中継方式において効果があること。 |
・ | 全てのキャリア変調方式に適応可能なこと。 |
・ | 回り込みの状況が中継放送所の立地条件に依存するため、複数の回り込み波に対応できること。 |
・ | 回り込み変動を考慮して、速い変動追従特性を有すること。 |