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敦賀市長「1号機廃炉も選択肢」 福島原発事故知見次第で

(2011年7月1日午後6時20分)

 福井県敦賀市の河瀬一治市長は1日の定例記者会見で、東日本大震災により深刻な事故を起こした東京電力福島第1原発と同型で、運転開始後40年を超えている日本原電敦賀1号機(沸騰水型軽水炉、35・7万キロワット)をめぐり、福島の知見で高経年化(老朽化)などの影響があったと明らかになった場合には「早く廃炉に持っていくことも選択肢の一つ」と述べ、2016年としている運転終了の前倒しもあり得るとの考えを示した。

 敦賀1号機は1970年に営業運転を始めた国内初の商業用軽水炉で、運転開始後41年が経過。事故を起こした福島第1原発1号機より1年古い。原子炉格納容器は福島第1原発と同じ米ゼネラル・エレクトリック(GE)社が開発した「マーク1」を使用している。海江田万里経産相も「マーク1」の安全性を大きな課題に挙げており、市長の発言を受け敦賀1号機の廃炉論議が一気に進む可能性がある。

 原電は09年、それまでは10年中に運転停止するとしていた敦賀1号機の運転延長を打ち出し、16年まで運転継続することになっている。現在、高経年化対策を集中的に行うため、来年3月までの予定で長期の定期検査に入っている。

 会見で河瀬市長は「今やっている定検の中で、安全なものにしてもらうことがベスト」と前置きした上で「敦賀1号機は(定検終了後に)動いても(運転停止までは)そう期間的にないことも事実」と述べ、福島の知見次第では前倒して廃炉にする可能性に言及した。

 また、定検が続く中で状況を見極める考えを示す一方で、「より安全、安心な敦賀3、4号機増設を早く進めてほしい」とも述べ、耐震安全性などをめぐる国の安全審査が長引き本体着工がずれ込んでいる増設計画の進展を優先的に考える姿勢を示した。

 福島の事故を受けた原発の安全対策をめぐっては、西川一誠知事が高経年化の影響がなかったかを示すよう繰り返し国に求めている。しかし、原子力安全・保安院は「高経年化による劣化事象が事故の発生、拡大の原因になったとは考えられない」との見解しか示していない。

 原電は「河瀬市長から話を聞いていないので、コメントできない」としている。

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