中国は手に負えぬ横暴な国、ベトナムの支援要請を無視するな―米紙

  かつて一度は敵として戦ったベトナムと米国――。多くの犠牲の血を流した末、1975年に米国を追い出したベトナムだが、近年、再び米国との同盟関係を強化している。6月20日付の米ニューヨーク・ポスト紙は、「中国は好戦的」と題した作家Authur Herman氏の評論を掲載した。VOA(中国語電子版)が伝えた。

   Herman氏は評論のなかで中国について、「近来、新たに獲得した軍事力と野心を、周辺国に誇示し続けているほか、あちこちにサイバー攻撃を仕掛けている。興りつつある超大国というよりは、まるで手に負えない横暴な独裁国家のようだ」と評した。

 さらに、「以前ベトナムは中国の盟友であったが、現在は不倶戴天の敵になってしまった」と指摘。南シナ海での石油探査問題をめぐり、ベトナムと中国が軍事演習による応酬を繰り広げたことを挙げ、「ベトナムは外部の支援を歓迎するという強硬な声明を発表したが、これは明らかに米国及びその海軍に対する要請である」とした。

  そして、「この展開は米国にとって、ベトナムとの関係を修復すると同時に、中国の指導者と渡り合うための新しい切り口を探すチャンスをもたらした。中国は周辺国との外交関係だけでなく、国内でも問題を抱えている」と指摘している。

  さらに、過去数週間に中国で起きた衝突事件や爆発事件に言及。「中国当局の言う“群集騒乱”が増え続けているのは、インターネット上での反体制的言論を当局が完全に抑え込めていないことだけが原因ではない」、「石油価格の高騰とインフレの進行によって、中国の驚異的な経済成長にも陰りが見え始めている。輸出相手国である米国の経済が早期回復できなければ、長く続いた中国の経済成長記録を脅かし、結果としてより多くの騒乱を引き起こす要因となるだろう」として、騒乱の背景には経済的な理由があるとの見方を示した。

  同氏はさらに「国内の制御を失うことへの恐れが、中国の対外冒険主義と傲慢さを生み出している。ベトナムとの対立はその例にすぎない。ベトナムが公に米国の支援を要請したことを無視するべきだはない」と結論付けた。(編集担当:中岡秀雄)

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