「阪神6-4横浜」(2日、甲子園)
これぞ4番です。初回2死三塁の好機に阪神・新井貴浩内野手(34)が左中間に豪快な7号2ラン。2試合連続となる一発でチームに勢いをつけ快勝。横浜に連勝で2位・中日と2・5ゲーム差、首位ヤクルトとは6差に縮んだ。「今が底」発言からわずか3日での復調。頼もしい主砲が猛虎の7月反攻をけん引する。
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上空を舞う緩やかな追い風は関係なかった。新井がどんぴしゃのタイミングでとらえた打球は、甲子園の深い左中間フェンスを軽くまたいだ。試合の流れを左右する初っぱなの先制機。平野を三塁に置いて、4番がドラ1右腕をねじ伏せスタンドのボルテージは早くも最高潮となった。
変化球2球で簡単に追い込まれた直後、須田のフォークをフルスイング。不振にあえぐ新井の7号先制2ランが、連勝への機運を高めた。「うまくいかない打席が続いていたけど、気持ちだけは強く持って打席に入った。先制できて良かった」。試合後、真っ先に口をついたのは安堵(あんど)感。藤井彰と並んだ初のお立ち台。「顔しか取りえがない」というスタンドの爆笑を誘った同級生を横目に、必死に笑いをこらえた。
リーグ戦再開後の5試合で19打数1安打の惨状を「底」と表現した。前夜は倉敷で24試合ぶりの1発を放ち、この日は今季2度目の2試合連続弾。だが、「前夜の1発がきっかけになった?多少はね」と言葉少なだった。凡退した残り3打席に納得がいかない。秘めた思いが胸に混在する。
来阪中の親友に元気な姿を見せたかった。一昨年、知人を介して仙台市拠点のメジャーバンドMONKEY MAJIK(モンキーマジック)と交流を始めた。東日本大震災で被災したメンバー4人とは普段からメール交換する間柄。今季は自身の登場曲に同バンドの「モンスター」を採用するなど、親交は深い。
そのモンキーが3日、大阪城野外音楽堂で被災地アーティストをゲストに迎え、チャリティーライブを開催する。「できることなら、観(み)たかった」。横浜戦と重なったため、ライブへの参加はかなわない。それでも、自身も労組プロ野球選手会の会長として球界の先頭に立ち、被災地復興活動に励んできた。被災当事者の奮闘はこの上ない励みになっている。
今季は1本塁打につき10万円、1打点につき5万円を被災地に寄付する個人的な支援プランを実行中だ。7本塁打32打点で現在230万円。目標は口にしない。自己最多の更新を視野に、被災地支援を大きなモチベーションにつなげている。
新井の先制弾に触発された打線が活性化、2戦連続2桁安打で、4連敗中だった横浜を相手に連勝を飾った。「明日から、どんどん状態を上げていきたい」。お立ち台では藤井彰の陰で脇役を演じた。それでも打線の主役は新井が担い続ける。上昇気流に乗った4番の梅雨明けは、間近だ。
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