東京電力は2日夕、福島第一原子力発電所で、敷地内にたまった放射能汚染水を浄化しながら原子炉に戻す「循環注水冷却」に完全に移行したことを明らかにした。循環注水冷却は、東電の事故収束へ向けた工程表の最大の目標である「燃料の安定冷却」を実現する柱とされる。うまく続けば、汚染水が増えるおそれを減らせることになる。
東電は汚染水を増やさずに燃料を冷やすため汚染水を再利用する循環注水冷却を6月27日に始めたが、ダムの水を引いたタンクからの注水も並行して続けていた。
2日、浄化水を一時的にためておくタンクを新設。浄化水だけでも安定して注水できるめどが立ったことから、完全に切り替えた。(小堀龍之)