都議会第二回定例会最終日の朝に届いた樺山卓司議員(63)=自民、葛飾区=の訃報。都議会本会議場は沈鬱(ちんうつ)な空気に包まれ、会派を超えて明るい人柄で好かれた樺山さんをしのび、各会派からは次々と哀悼の意が表された。一方で、樺山さんの死去は与野党勢力の逆転という事態を招き、各会派は厳しい議会運営を迫られることになった。 (沢田千秋、内田淳二)
「あまりに突然のことで驚いている。言葉が見つからない」
自民の野島善司政調会長は肩を落とした。今後の議会運営については「各会派が都政のことを真剣に考え、判断していくしかない」と話した。
公明の中嶋義雄幹事長も「痛ましい限り」と述べ、「今議会で民主が提案した条例も本当の理念がない。まっとうな議論が通じないというのが一番心配だが、事の重大性を判断してしっかり議論していく」とした。
野党・民主の大沢昇幹事長は「超党派でいろんな活動をしてきた方なので大変残念」とした上で「これまで通り粛々と、是々非々の姿勢で第一党としての役割を果たしていくだけ」と言葉少なに語った。
「新銀行東京の四百億円の追加出資の採決で自民議員にもかかわらず欠席するなど、筋を通す人だった。常にみんなを明るくリードする先輩だった」とは、共産の吉田信夫幹事長。「今後も党として主張すべきことをするという努力を貫く」と淡々と述べた。
生活者ネット・みらいの西崎光子幹事長は「とてもいい方だったので、勢力逆転も複雑な心境」と話しつつ「数の拮抗(きっこう)が続き、都議会に緊張感があるのはいいことだが、議会運営ばかりに時間がかかってはならない」と懸念した。
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