日本企業の自家発電能力は原発60基分!

日立製ヘビーデューティー型2軸構造ガスタービンH-80。同型としては世界最大の8万キロワット。九州電力・新大分発電所に搭載。(写真提供/日立製作所)

 電力不足の時期が再び迫っている。
 
 日本の全発電量のうち、約25%を占めている原発に稼働のメドが立たないことも大きな理由だ。しかし、環境エネルギー政策研究所の松原弘直氏は「もし原発が全て停止したとしても、各地での電力供給が断たれることはないでしょう。揚水発電の活用や、電力会社同士の融通、発電設備を持つ企業からの受電でまかなえるレベルです」と説明する。

 「多くの電力会社の供給力には余裕があります。この春、計画停電で混乱を招いた東京電力でも、8月までに原発抜きでも同社の夏の需要見通し(5500万キロワット)を越える供給が可能と私たちは分析しています。さらに効果的な節電策をとれば、東京電力管内で1100万キロワット以上の節電ができるでしょう。電力会社と工場等の大口需要家との間で需要調整契約の締結をすることや、ピーク時に一定の量を超えて使用した課徴金設定、一般家庭のアンペアを一段階下げてもらうこと等で、各企業での省エネ機器の導入や、逆にオーバースペックで電力消費の高い機器の排除なども考えられます。原発や石炭火力に頼らず、無理なく節電するためにやれることは、いろいろあるのです」(松原氏)

 さらに全国の自家発電もある。経済産業省の統計によれば、全国の自家発電の総出力は、5380万、水力439万、風力239万など、計6034万キロワット。原発60基分の出力に相当する。東京電力管内だけでも、1639万キロワットある。
 
 実は、日本の企業の自家発電は、原発(現在の総数54基)の発電量を上回るほどのポテンシャルを持っているのだ。

 6/28発売の週刊SPA!7/5・12号「[企業の自家発電能力]だけで原発60基分!」では、ジャーナリスト広瀬隆氏の取材による、原発の約2倍の熱効率となるコンバインドサイクル発電や、太陽光発電、燃料電池などを紹介。本記事は、原発事故で急変する日本のエネルギー問題を冷静に考える指標となるだろう。

⇒ 続きは、週刊SPA!7/5・12号(6/28発売)にて。(電子雑誌版も発売中)