会場だったドイツ・オーベルストドルフは、11歳のときに訪れた世界選手権以来、29年ぶりという。「ここの氷は質が良くて硬い。高いジャンプになるか、すっぽ抜けるか。シビアな氷」とみどりさん。
■気取らず、選手らと仲間に
公式練習の4日間は、まるで氷と会話をしながら友達になっていくかのようだった。スケーティングが滑らかにスピーディーになり、ジャンプは高さを増していく。そして4日目、見事な3回転トーループを降りた。「まだまだ私、いける」
「ミドリ・イトウが本当に出るのか」とフィギュア界では話題になっていたようだが、本人が実際に公式練習している姿を見て、出場者もスタッフもみなびっくりしていた。しかし、気取らず、普通に打ち解けてしまうのも、このトップスケーターのすごさの1つである。気軽にサインや写真撮影に応じ、顔見知りになった選手には「グッドラック!」と毎日声をかけていた。
残念な知らせもあった。48歳ながらダブルアクセルを跳ぶ、アダルトスケート界の星である米国選手が、ケガで欠場することになったのだ。みどりさんのクラスで優勝候補だった。
「私が出ると聞いて、無理に練習したに違いないわ。彼女の滑りを見たかった」。みどりさんの目から涙が落ちた。
■ケガそして年齢との戦い
アダルトスケーターは、ケガとの戦いだ。その場面を次々と目撃することになる。強度のヘルニアで、杖(つえ)がないと歩けない30代の選手には驚かされた。2分10秒の渾身(こんしん)の演技を終えると、リンクサイドに崩れ落ちる。両脇を友人らに抱えられ、そのまま約2時間、微動だにできずに荒い息を繰り返していた。
「あんなに身体が悪くても、スケートが好きで、氷上で素晴らしい演技をできる人がいるなんて。私が知らなかったスケートの世界がある」
60代、70代のスケーターは、みんな膝や腰にサポーターを巻きながら、深いシットスピンや高いジャンプに挑む。
「すごい、すごい。恐るべし、世界の70歳!」
驚きすぎて、みどりさんら日本チームのみんなで笑ってしまったほどだった。
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