みどりさんはアルベールビル五輪後、プロスケーターとしてショーに出演しながら、95―96年シーズンは現役に復帰して、全日本も制した。その後は再びプロスケーターに戻り、02年まで滑っていたが、その後はまともな練習はほとんどしていなかったという。
■大人のスケート愛好者から刺激
常に全力でしか走れないみどりさんが、そんな状態でも試合に託したかった思いとは何か?
そもそも出場を決めたきっかけは初心者向けのスケート教室だった。全国で教室を開くうちに、子供だけでなく大人の愛好者が多いこと、また大人の国際大会があることを知った。
「現役時代と違ってスケートを楽しんで滑りたい」
そんな純粋な気持ちで出場を決意したという。みどりさんが現役時代に背負ってきたプレッシャーは、今の選手の比ではないことを、改めて思い起こさせる。
出場を決めたとはいえ、練習は、ケガとスタミナとの戦いとなった。昨年12月末から、今大会の出場を目指して秘密で練習を再開。週2、3回氷に乗り、4月からは現役選手に交じって練習の強度を上げていった。
■葛藤の日々
3回転ジャンプを2種類降りるまでになったが、すぐにアキレス腱と膝を痛めてしまい、3回転ジャンプが跳べなくなった。このため、出場の意義について改めて考えるようになり、「出るか、出ないか?」と葛藤の日々が続いたという。
「こんなに力が落ちているのに出場する意味がある? 批判もあるかもしれない。でも、スケート好きだなという気持ちは変わらないし、楽しんで滑る姿を見せれば喜んでくれる人はいるはず」
自問自答の末に、こう結論を出した。2日の会見に出席することは、みどりさんが自分自身に決意を示すためでもあった。
みどりさんを慕う人は多いのだと、改めて思った。遠征には、多くの団体から提供を受けた備品が活躍した。脚の炎症を和らげるため、タレントの間寛平さんが世界一周で使ったマイクロ波治療器を社会医療法人財団が提供。試合会場は標高約850メートルの準高地だったため、サッカーW杯で使った高濃度酸素発生器をメーカーから借り、さらに鉄分やアミノ酸など各種サプリメントも各社から提供を受けた。日本チーム(出場選手の1人)にトレーナーがいたことも大きい。
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