相次ぐ乳児の遺棄事件をきっかけに、関西にも「赤ちゃんポスト」を設けようと、兵庫県内の女性支援グループが動き始めた。2日には国内唯一のポスト「こうのとりのゆりかご」を運営する熊本市の慈恵病院の関係者を招き、講演会を開く。
グループは「円ブリオ神戸」。1998年から出産をためらう女性たちを物心両面で支える活動を続け、医療・福祉・教育関係者ら約300人のメンバーがいる。
兵庫県では神戸市兵庫区で昨年4月、スーパーで生後数日の女児が捨てられているのが見つかり、30代の風俗店従業員の母親が逮捕された。同8月にも高校生がスーパーのトイレで産んだ男児を同市北区の側溝に捨てたとして逮捕された。
「もし近くに赤ちゃんポストがあったら、赤ちゃんの命だけでなく、悩んだ母親も救えたのではないか」。グループ副代表の岡田寿美さん(45)は言う。
「小さな命を救う」「捨て子を助長する」。ポストをめぐっては賛否両論あるが、グループは医療関係者のほか児童相談所や児童養護施設などにも参加を呼びかけ、ポスト設置の準備委員会をつくることにしている。3〜5年後をめどに、県内の病院でのポスト開設をめざす。