【大紀元日本6月28日】中国国内紙「経済観察報」24日付けの報道によると、上海の大手不動産会社・大華集団は、自社が手掛ける不動産開発プロジェクトの販売価格を半値にすることを明らかにした。同社のこの決定は業界内で大きな反響を呼ぶとともに、政府の金融引締め政策とマクロコントロール調整の下において、業界全体の値下がり競争に拍車を掛け、不動産市場の今後の動向にさらなる不安定さを増すものと見られる。
報道によると、大華集団は、上海浦東新区北蔡地区で手掛けるプロジェクト「錦秀華タウン」において、郊外別荘型戸建住宅の開発を長年にわたり行ってきた。物件の平均面積は270〜350uで、公表されている対外販売価格は1uあたり7万元に達している。これらの物件は5、6月中に28件も一気に販売されたと言う。
一方、情報筋によると、これらの物件の実際販売価格は、上述の対外公表販売価格と大きく離れているという。例えば、5月31日に売買契約を交わした10件の合計面積は3052uで、1uあたりの販売単価は3万2644元であった。6月1日に売買契約を交わした18件の合計面積は5701.8uで、1uあたりの販売単価は3万1944元であった。
中国不動産情報集団(CRIC)が公表した最新報告によると、6月13日から19日の間に、上海で8つのマンションの新規販売が発表された。その合計販売面積は26.51万uで、前の週と比べ57.7%の供給増となった。この供給増の圧力により、ここ2週間の販売成約価格は下落一方であり、20〜26日の1uあたりの平均販売単価は2万640元であった。前の週から5.88%の下落であり、下落幅はさらに大きくなっているという。
中国における販売住宅量の大幅増は、上海だけでなく各大都市で起こっている。広発証券研究報告の統計によると、11大都市における6月第3週末までの販売住宅総在庫件数は60万件を突破し、14週連続の増加となった。6月19日までで、北京の販売許可待ち住宅件数は7万件以上、および販売許可済み住宅在庫件数は3万件以上となっており、総在庫件数は10万件を超えたことが明らかになった。
一連の金融引締め政策の下、不動産開発業者への銀行融資が圧縮されたため、資金繰りに悩む業者は信託へ目を向け始めた。中国人民銀行(中央銀行)の最新の報告によると、今年第1四半期において、不動産開発による銀行融資額は4カ月連続の縮小となった。投資コンサルティングの「howbuy.com基金」の統計によれば、今年5月までで国内の信託会社による不動産信託商品の件数は148件に上り、そのうち統計に入っている不動産信託商品の公募資金額は447.71億元に達したと言う。
信託商品化による融資手段は不動産開発業にとって、手っ取り早い融資方法ではあるが、信託融資の利率は15%を超え、かなり高い水準に達している。販売件数減との二重苦に悩まされる不動産開発業者が背負うリスクは、かなりの危険水準になっている。
(翻訳編集・林語凡)
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