福島の小学生招待 上富田、原発事故で町民会議
紀伊民報 6月28日(火)17時1分配信
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【福島市から児童を招き、交流する計画案が報告された青少年育成町民会議の総会(27日、和歌山県上富田町朝来で)】 |
27日夜に上富田文化会館(上富田町朝来)であった総会で、上羽会長(59)が計画を説明した。出席した小出隆道町長も「福島の子どもたちを預かってもらうことになり、非常にうれしい」と話した。
7月30日〜8月6日に、約30人の児童を招待する。白浜町の白良浜海水浴場や田辺市の熊野古道などを回る。7泊のうち、4泊は町内でホームステイする。田辺市龍神村でのキャンプ(2泊)には、町の児童約30人も参加する。上富田スポーツセンターを利用したレクリエーションや、木工教室も計画している。ホームステイ先は調整中で、上羽会長は「小学生がいる家にお願いしたい」と話している。福島市側の窓口は、総合型地域スポーツクラブ「エフ・スポーツ」が担当する。
費用は町民会議が負担する。町は町民会議に対し補助金として280万円を出す。7月29日にバスで児童を迎えに行き、8月6日に福島市まで送る。7月3〜5日に上羽会長らが福島市を訪問し、日程の詳細を調整する。
町民会議が福島側に打診したのは6月上旬。エフ・スポーツと同じ総合型地域スポーツクラブ「くちくまのクラブシーカ」が町にあり、情報交換を続けていたことがきっかけだった。
これ以前に、岩手県の宮古市や山田町に話を持ち掛けたが、東日本大震災の影響で夏休みが短くなることから「ありがたいが行けない」との返答を受けていた。
エフ・スポーツが参加者を募ったところ、応募が殺到。「キャンセル待ちをしたい」という人が10人以上もいるという。
クラブマネジャーの半沢由美子さん(49)によると、福島市内では原発事故の影響で高い放射線量が検出されており、小学校がグラウンドの利用時間を限っていたり、登下校時に長袖を着るよう児童に呼び掛けたりしている。不安を感じている保護者も多く、子どもが外で遊ぶことはほとんどなくなった。エフ・スポーツの活動にも大きな影響が出ているという。
紀伊民報の電話取材に対し、半沢さんは「すごくありがたい誘いだった。キャンプをしたり海を楽しんだり、子どもたちが何の遠慮もせずに外で遊べることが一番うれしい」と話した。
総会後、上羽会長は「子ども同士がうち解けて震災の話になれば(発生が予想される)東南海・南海地震への備えにもなるはず。福島の児童には、南紀の太陽をたくさん浴びてもらい、少しでもストレスを解消してもらいたい」と話した。
被災地の子ども受け入れは、新宮市も宮城県名取市に打診している。主催する宿泊型の自然体験イベントに参加してもらう計画。新宮市教委は「返答を待っている段階」と話している。
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最終更新:6月28日(火)17時1分
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