2010年06月03日

1455 緑内障の進行を防ぐ(クックアンドライフ)の記事です。

緑内障の進行を防ぐ(クックアンドライフ)の記事です。
表紙






あなたはどうですか?(チェックしてみましょう)
1、テレビの画面を”砂嵐”の状態にして、紙などを丸く切った印を画面の中央に貼る。画面の縦の長さ分だけ、テレビから離れて座り、片目を手などで覆う。
その状態で、画面に貼った印を1-2秒凝視する。このとき、画面の一部がかすんだり暗くみえる。

2、眼がかすむ

3、光の周囲に虹のようなものが見える

4、眼が重たく感じる
クックエンドライフチェックシート


★ひとつでも当てはまるののがあれば緑内障の疑いが有ります。特に2,3,4に該当するときには、すぐに眼科を受診してください。


●眼圧が高くなって視神経が障害され視野が欠けてくる 緑内障は、眼圧が高くなることで視神経が圧迫され、徐々に視野が欠ける病気です。眼圧とは眼球内にかかる圧力のことですが、通常は眼球内を満たしている房水(角膜や水晶体に栄養を運んだり、老廃物を排出する液体)がバランスよく作られては排出されることで、眼圧を一定の範囲内に保っています。 
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 このバランスが崩れて眼圧が上がり、視神経が障害を受けると機能は元には戻らず、放置していると失明するおそれがあります。日本では、40歳以上の20人に1人が緑内障であることがわかっています。また、緑内障は、日本人の途中失明の原因の1位になっています。


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●眼圧が正常でも緑内障を発症することがある
 房水は、毛様態というところで作られ、線維柱帯を通して排出されますが、この排出口が目詰まりを起こすとうまく房水が排泄されなくなり、眼圧がたかくなります。目詰まりが急激な痛みや頭痛、吐き気をもよおします(閉塞隅角緑内障)。徐々に目詰まりが進行する場合は、じわじわと眼圧が高くなってきます(開放隅角緑内障)。

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 最近、増えているのが、眼圧が正常範囲内にあるのに視野が欠けてくる正常眼圧緑内障です。日本人の緑内障の約7割を占めているといわれます。これは、視神経が傷害されない眼圧値(健常眼圧)には個人差があるために、眼圧が正常範囲内であっても、視神経が障害されることがあると考えられています。
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 そのほかにも、強い近視の人、片頭痛や冷え性などがある人は緑内障を発症しやすい傾向があります。また、家族に緑内障の人がいる場合は、いない人に比べて発症する頻度が高くなることがわかっています。



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 初期のうちは中心以外の視野から欠けますが、正常なほうの目で補ったり、顔や目を動かすことで普通に見えたりするので、視野の欠けになかなかきづきません。気づかないままに進行すると、視野の欠けが中心部に拡大してきます。
 早期に発見するためには、40歳を過ぎたら1年に1回は、眼圧検査、眼底検査、視野検査を受けるようにしましょう。


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●進行の程度によって最適な治療法が選択される
 一度障害された視神経を元に戻すことはできません。しかし、早期に発見して眼圧を下げる治療を受ければ、進行を抑えたり遅らせたりすることができます。治療法は、進行の過程などによって、次の3つのうちから選択されます。




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薬物療法 点眼薬を使うことで房水が作られるのを抑えたり、排泄を促して、眼圧がコントロールします。最近はよい点眼薬が開発さて、薬物療法が緑内障治療の中心になっています。点眼薬の種類によっては、目が乾く、充血する、目のまわりが黒くなるなどの副作用があらわれることもあります。


51レーザー療法 慢性の緑内障には、レーザーを当てる線維柱帯形成術がありますが、最近はあまり行われません。約7割の患者さんに効果があるといわれ、再び線維柱帯が目詰まりしても、繰り返し治療ができます。

手術療法 新しい房水の通り道をつくる線維柱帯切除術が行われます。充分に効かなかったり、房水が排出しすぎて眼圧が下がるなどの合併症を起こすことがあります。


 監修 東京医科歯科大学眼科臨床教授
    清澤眼科医院院長       清澤 源弘

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清澤のコメント:
テレビの砂嵐は作りにくいという話もありました。アンテナを外すと作ることができます。

レーザー虹彩切除は今も閉塞隅角緑内障には割と行われますが、それでも白内障手術でブロックを解除する場合の方が多いでしょう。レーザートラべクロプラシティーは開放隅角眼の落屑緑内障などでは今も行われるかもしれませんが、開放隅角緑内障に対しては、ほとんど行われません。




kiyosawaganka at 13:42│Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!緑内障 

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院長 清澤源弘
”すべては患者さんのために”を目指す江東区南砂駅前の眼医者です。眼科知識普及に役立つブログの作成が趣味。緑内障、小児眼科、花粉症などの眼科疾患を治療し、コンタクトレンズにも注目。眼瞼痙攣のボトックス治療、複視や視野障害の治療が専門でPETでの脳機能評価も手がけます。東京医科歯科大臨床教授(07年4月-、現在も毎水曜の外来を担当)、順天堂江東高齢者医療センターで手術(順天堂大非常勤講師)。2006年国際神経眼科学会副会長。

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