ワシントン(CNN) 未成年への暴力ゲーム販売を禁じたカリフォルニア州の州法が、表現の自由を定めた米国憲法に違反するかどうかが争われた裁判で、米連邦最高裁は27日、ゲーム業界側の主張を認め、規制は行き過ぎだとする判決を言い渡した。
この裁判では表現の自由と消費者保護とのバランスが争点となり、業界側は、自主的に導入しているレーティング制度が十分機能していると主張。これに対して州側は、業界の自主規制は不十分であり、州には子どもを守る法的義務があると訴えていた。
判決は7対2の多数で違憲とされ、多数派のアントニン・スカリア裁判官は「(同法によって)例え保護者が暴力ゲームは無害だと判断した場合でも、若者の表現の自由を阻害することになる。不安を持つ保護者を支援する手段としては行き過ぎだ」と判断した。
同法は過度に暴力的とみなしたゲームを未成年に販売・レンタルすることを全面的に禁止し、違反した小売業者には1000ドル以下の罰金を科す内容。当時のシュワルツェネッガー・カリフォルニア州知事が署名して2005年に成立した。
しかしゲーム業界がこれを不服として連邦裁判所に訴えを起こし、施行差し止めの仮処分命令を勝ち取っていた。