松本市並柳で1日、同市で30日に最大震度5強を観測した地震により落下したとみられる雑誌に埋もれる形で男性が死亡しているのが見つかった。松本署は、この地震による初の死者とみて調べている。また、同市内では1日夜までに店舗、住宅の建物被害が計1858件に上り、このうち2件は半壊状態だった。
同署などによると、死亡していたのは会社員の安田勇一さん(44)。同僚が1日、出社しない安田さんを心配し、同署に安否確認をしてもらったところ、自宅で雑誌の下敷きになっている安田さんを署員らが見つけたが、既に死亡していた。安田さんは地震の発生当日は休みだった。同署で死因などを調べている。
松本市によると、同市内で確認された建物被害は前日の約4倍に。揺れが大きかったとみられる市南部地域での被害が目立つ。ほかに、塩尻市内でも松本市境に近い北部で屋根瓦がずれたり、落ちたりした被害が同日までに新たに16件確認された。
松本市社会福祉協議会内には1日、高齢者宅などで散乱した家財道具の整理などを支援する「災害ボランティアセンター」が発足。市は町内会単位で集めたがれきなどを無料で回収する。市内4カ所の避難所の利用者は、同日午後8時半時点で13世帯29人。
阿部守一知事は1日の会見で、県地域防災計画を本年度中に見直す方針に触れ「今回の地震、牛伏寺断層との関連性なども十分見極めた上、対応していきたい」と述べた。
長野地方気象台によると、1日も県中部を震源とする地震があり、同日午後9時までに、松本市丸の内などで震度1〜2の有感地震を7回観測した。いずれも30日の地震の余震とみられる。