シンガポールの会社設立概要

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シンガポールの会社設立概要

シンガポールの企業形態

シンガポールには、以下の企業形態があります。

  • 会社法に基づく形態
    • 公開会社(Public Company)
    • 株式有限責任会社(Private Limited Company)
    • 外国会社のシンガポール支店(Foreign Company)
  • 有限責任共同経営法に基づく形態
    • 有限責任共同経営(Limited Liability Partnership)
  • 有限共同経営法に基づく形態
    • 有限責任経営(Limited Partnership)
  • 事業登録法に基づく形態
    • 個人事業主(Sole-Proprietorship & Partnership)
  • その他、駐在員事務所形態も認められています。

以下では、シンガポール進出で一般的な現地法人の設立について紹介します。

現地法人設立に必要な資料・情報

シンガポール法人設立にあたっては、まず会社名、登記上の住所、資本金、株主、取締役などを決定する必要があります。

会社名(Company Name)
シンガポール法人の会社名を決定します。支店の場合には、日本本社と同じ商号を使用しなければなりませんが、現地法人の場合はそのような制限はなく自由に決定することができます。ただし、同一商号、類似商号、好ましくない商号などは会社登記局が受け付けないため、これらは会社名予約の段階でチェックする必要があります。また、会社名の最後は、「PTE LTD」「PTE LIMITED」「PRIVATE LIMITED」などから選択することが要されます。
登記上の住所(Registered Office Address)
設立に当たっては登記上の住所を決めなければなりません。P.O.Boxを会社の登記上の住所として登録することは認められません。また、実際の会社運営を登記上の住所とは別の場所で行うことはもちろん可能です。現地法人設立段階で、まだ賃貸契約していない場合は、設立を依頼する会計事務所などの住所を名義借りし、自社の事務所が決まり次第、変更登記を行うことも可能です。
事業目的(Company Activities)
シンガポール法人が行う主たる事業内容を登録します。実際の登記においては、事業内容の内、主たるものを2つ(二行)記載することになりますが、実際の事業がこれら登記内容に限定されるということではありません。また、日本本社の定款に記載されている事業内容に拘束されるということもありません。旅行業、不動産業、教育業、金融業、飲食品業などは、設立後、別途ライセンスが必要のため注意が必要です。
取締役(Directors)
18歳以上のシンガポール居住者を最低一名選任する必要があります。その他の取締役は非居住者でも構いません。設立段階で、就業許可証を保持していないケースが大半ですので、その場合は、会計事務所などから名義借りを行い、赴任される取締役が就業許可証を取得した後に名義取締役の辞任登記を行います。
株主(Shareholders)
株主は、個人でも法人でもよく、年齢、国籍、居住地を問いません。
資本金(Paid-Up Capital)
シンガポールでは、授権資本制度は廃止されているため、会社は自社の判断で増資し、払込み資本金額を自由に定めることができます。最低限の資本金で会社を設立しようとする場合には、一人の発起人が1株(S$1)を引受け、必要に応じて設立後増資することになります。また、資本金の通貨に関しては、シンガポールドルのほか、米ドル、ユーロ、日本円などから選択することが可能です。
会計監査人(Auditors)
会計監査人は、設立後3ヶ月以内にその選任が義務付けられていますが、必ずしも設立段階で選任する必要はありません。株主が法人の場合には、休眠会社でない限り、会計監査人による外部監査が義務付けられていますが、株主が個人の場合は、休眠会社の場合、株主が20名以下の個人で、かつ年間の売上げがS$500万以下の会社(Exempt Private Company)は外部監査は免除されています。
会社秘書役(Company Secretary)
会社秘書役は、設立後6ヶ月以内にその選任が義務付けられていますが、必ずしも設立段階で選任する必要はありません。日本にはない制度で、馴染みにくいですが、議事録など様々な法定書類を会社のために適切に作成、登記、保管する役割を担います。
定款(Memorandum and Articles of Association)
会社設立の段階で、シンガポール法人の定款を用意する必要がありますが、会社登記局があらかじめ用意した定款を利用することも可能です。

会社設立に要する日数について

会社設立にあたっては、まず始めに会社名の予約を行います。会社名の予約は通常1日で完了します。注意を要するのは、会社名または事業内容に特定の文字または活動が使用されている場合(例えば、Finance, Futures Exchange, Travel, Tourist, Real Estate Agencyなど)には、所轄政府機関へ照会することになるため、その場合は通常より時間がかかります。

会社名の予約が完了したら、実際の設立登記を行います。申請から登記完了までは通常1日程度かかります。

会社設立の際に会社登記局に支払う費用について

  • 会社名予約費用・・・・・・・・・・・S$15(60日間有効、S$10を支払って、さらに60日間の会社名予約の延長が可能)。
  • 株式有限責任会社の場合・・・S$300